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男の「生じゃないとイケない」は思い込み【性活コラム】

AV男優・森林原人の性活コラム 第31回】 経験人数延べ9,000人、出演本数10,000本以上、下は18歳から上は69歳まで、性別の垣根を越えてさまざまなエッチを経験するAV男優・森林原人さんが、性にまつわるあれこれについて語ります。  女性向けの女子SPA!ですが、男性も読んでくれているみたいで、こんなメールが届きました。 === 「ゴムありセックスしか経験がない奴は童貞と同じくらい哀れ」というコメントをよくネットで見るのですが、先日初めて生でセックスしたら、ゴムありの時と気持ち良さが変わりませんでした。 ゴムをしても気持ちよさが変わらない?「生じゃないとイケない」という声もよく聞きますが、単なる思い込みなのでしょうか? ===  この中には、真実と思い込みがごちゃ混ぜになっていますので、一つ一つ分解して説明していきます。  まず冒頭の「ゴムありセックスしか経験がない奴は童貞と同じくらい哀れ」は嘘です。「哀れ」という、各人が自由に抱く感情に対して嘘と言い切っちゃうのも気が引けますが、僕の感想としては哀れなんかじゃありません。  そもそも、童貞が哀れじゃありません。童貞はよくネタにされて、惨めだったり、哀愁のある存在として扱われますが、童貞には“知らない幸せ”と“これから知る幸せ”があります。  一方、非童貞には“知った喜び”と“知ってしまった苦しみ”があります。もちろん童貞にも“知っていない悲しみ”がありますが、童貞から非童貞になることは風俗などを活用すれば比較的簡単ですが、非童貞から童貞なる事は絶対にできません。つまり、童貞の方が選択肢を多く持っているということです。

「生じゃないとイケない」という男は“セックス音痴”

 AV男優の僕だから逆に憧れているのかもしれませんが、童貞には無限の可能性があるということです。一方、非童貞ですが、性体験をしているからといって人間として優れているとは限りません。ましてや、0.0何ミリのゴム一枚によって気持ち良さを左右されてしまう人は、セックスの気持ち良さを“摩擦係数”という一つの基準でしか計れないということで、かなり世界の狭い人です。  そういう意味で、「生じゃないとイケない」という人は、セックスを楽しむ能力に乏しい、“セックス音痴”だと言えます。

気持ち良さは肉体だけでは生まれない

気持ち良さは肉体だけでは生まれない 9,000人と10,000回以上セックスしてきて、これだけは断言させてもらいますが、気持ちイイ射精と気持ちよくない射精があります。現象としては同様に精子が出るのですが、気持ち良さが全然違ったりします。同様に、生でも気持ちイイセックスと気持ちよくないセックスがあります。何なら、生だけどゴム着きより気持ちよくない場合や、ゴム着けていても生以上に気持ちイイセックスがあります。  セックスの気持ち良さは、肉体的な面と精神的な面のミックスで構成されています。さらに肉体的な面は、性器だけではなく、体の器官全部によって構成されています。精神的な面は、見つめ合えているかとか、名前を呼んだり好きと言葉にしたりしてお互いを心から求め、受け入れている実感があるか、です。

“生信仰”はストーリー萌え

 そのうえで、スパイスとして思考の面が加味されます。一盗二脾三娼四妓五妻(いっとうにひさんしょうしぎごさい)というフェミニストが聞いたら激怒しそうな言葉があるように、禁止されてたり、なかなか手が届かなかったり、危険だったりする相手やシチュエーションに興奮したりします。不倫中は燃えるけど、いざ相手が離婚して自分のモノになったらセックスレスになるなんていうのは、最も典型的な例です。  生セックスも似たようなものです。子供ができちゃうかもしれないけど、そのリスク(可能性?)を侵す(受け入れる?)覚悟があるんだと勘違いしたり、そういったことが考えられなくなるほど快感に溺れていると思い込むことで高まるのです。お話としては面白いから、AVの演出でもよく使われるトリックですが、現実世界ではそう都合よくいくわけではありません。
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セックスの気持ち良さの本質
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