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“高橋一生のハダカ”だけじゃない、篠原涼子『民衆の敵』は面白くなる!

「長いモノに巻かれろ、でいいの?」

「初回の展開が早すぎる」という批判もありましたが、主婦が市議会議員になるというファンタジーを一気に1話で描く以上、多少無理があっても仕方ありません。そこはある程度目をつぶってもいいでしょう。  それよりも、当選後の智子の行動を通じて、議会や委員会など普段なかなかうかがい知れない市政の仕組みを詳しく知ることができるのが非常に興味深いです。  また、第2話では犬崎の妻からプレゼントとして贈られたハイヒールを返さず、履き続けながら自分の意志を貫こうとするところにカタルシスを感じました。あそこですぐに突き返すのは、短絡的で“いかにも”な展開ですし、はじめから少数派に回ってしまっては彼女のその後の行動がすぐに手詰まりになってしまいます。 「自分に嘘をついて正々堂々と生きていけるのか?」 「長いモノに巻かれろ、で本当にいいのか?」  これらは程度の差こそはあれ、智子だけでなく、男女問わず私たちも日常的に感じ、自問自答することでもあります。ドラマは彼女の姿を通じ、私たちの心にも疑問を投げかけているのです。

篠原涼子の、スカッとする逆転劇に期待!

 せっかく主婦がヒロインなのですから、青臭いサクセスストーリーは見たくありません。一見、抗うことが困難に思える大きな流れ・勢力に翻弄(ほんろう)されながらも、思考停止に陥らず、それを逆手に取って痛快な逆転劇を決めていく彼女の活躍が見たいのです。  そして、それこそがこの作品の大きなポイントなのではないでしょうか。そこに女性ヒロインならではの“しなやかさ”が加われば、これから先、魅力的なドラマに仕上がっていくはずだと思います。今後の支持率=視聴率の上昇に期待します。 <TEXT/中村裕一>
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