女性の発達障害と「性被害」をめぐる深刻な実情を、専門家に聞く
食事や会話と、性行為との区別がつかない
アスペルガー症候群の女性の中には、下記の女性のようにセックスの意味を理解できていないケースが多く見られます。
「好きな男友達に性交渉をお願いしましたが、断られました。私は感覚過敏でスキンシップがなかなか難しいのですが、そのとき少し躁(そう)状態になっていて、『就職する前に男性と性交渉をしなければ』と思い込んでいたのです」(20代Eさん)
男友達との交流の一環がセックスだと考え、会話や食事をすることと、ほとんど同じように気軽に関係を持っている人がいるのです。
望まない関係で苦しまないためには
不用意な関係、不本意な関係になって苦しまないように、セックスの意味を理解し、ただ仲良くすることとセックスとをきっちりと分けて考える必要がある――そう、宮尾医師は注意喚起をしています。
アスペルガー症候群の女性は、自分の特性を知った上で、恋愛感情や体の関係を考えず、まずは友達として男性と交流を続けてみる。そして、アスペルガー症候群の特性を理解してくれる人が出てきたら、恋愛の対象として考えてみることが、傷つかない一つの方法だと言えます。
―知られざる「女性の発達障害」 vol.4―
<TEXT/ジャーナリスト・草薙厚子> 1
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