真理さんの嫌な予感は的中してしまいます。真理さんの彼氏が予約していたホテルは、ミラコスタとは雲泥の差がある格安ビジネスホテルでした。 「正直、ありえないですよね？ ミラコスタとは言わないですけど、せっかく岐阜から東京に来てるんだから、もっとちゃんとしたところに泊まろうよって言ってしまいました。それなのに1泊8000円クラスのビジネスホテルって…本当ありえないです」 　落胆しつつ、丸1日行動し続けて疲れた真理さんは家に忘れたコンタクトの保存液を買うため、彼氏と近くのコンビニまで向かいます。そこで真理さんの生涯最悪なクリスマスを決定付ける出来事が起こってしまいます。 「買い物をして店から出ると、男性3人組が『さっき俺たちのことチラチラ見てたよな？』と彼氏にからんできました。私はとっさに彼氏の後ろに隠れましたが、彼氏はアタフタするばかりで3人組に因縁をつけられっぱなし。 　確かに温和でケンカなんかしたことなさそうだったけど、こんな頼りないなんて…。そして彼氏はあろうことか、軽く因縁をつけられただけなのに『す、すいませんでした！』と土下座をし始めたんです！」 　 　3人組はいきなり土下座をする彼氏に失笑して去っていったものの、よほどからまれたことが怖かったのか、ホテルで泣きはらす彼氏。しぶしぶ一晩中、真理さんはそれを慰めていたそうです。 「こっちだって一日中動いてクタクタなのに、延々泣きついてくるんです。もちろんエッチどころじゃなかったです。今頃ディズニーランドにいたカップルはミラコスタでエッチしてるんだろうなぁ…なんて考えながら泣きついてくる彼氏にあきれていました」 　この後、真理さんはすぐ彼氏と別れたといいます。カップルが一年で一番盛り上がる夜に、男を下げてフラれた彼氏も気の毒ですが…。 ―クリスマス・年末年始の忘れたい記憶 vol.2― ＜TEXT／山野祐介　イラスト／ただりえこ＞