ところで結婚は、必ずしなければいけないのでしょうか。
「結婚は、『選ばれること』の一番の証明」と本書。確かに、結婚をしている事実だけで、「妻」「主婦」という肩書が与えられ、私などはついつい便利に使っています。
大事なのは、結婚を「すべき」ととらえるのではなく、「したい」基準で考えることだと私は思います。「結婚は人間関係のひとつの形」と本書が書いているように、世間体にとらわれず、自分の人生を自由に泳いでいいのです。
「男性でなくて一番よかったことは?」という問いが、本書にありました。
私個人の答えは、女性のほうが変化のある人生を送れること、でした。今の時代、男性より女性のほうが、圧倒的に選択肢が多いのです。
実は、「選ばれる立場」というのは幻想あるいは女性側の思い込みで、実際は「選べる立場」にいると考えてみてはいかがでしょう。
ちなみに本書は「男性でなくて一番よかったのは、ネクタイをしないですむこと」と答えています。ネクタイは働く男性のアイコン。会社や役職、肩書きに縛られる象徴かも。合コンひとつを取っても“スペック”を真っ先に見られ、内面を見る前に年収や会社名でハジかれ…「選ばれる立場」として見ると、男性も大変ですよね。
女性は女性である前に、ひとりの人間です。「女子力」という言葉を筆頭に「××系女子」など、世の中には沢山のカテゴリーが存在しますが、他人の物差しなど気にせずに、自分の意志を尊重していきたいもの。
身だしなみとしてのメイクやTPOを考慮した服装など、たしなみとしてのマナーは必要ですが、情報や流行に振り回されなくてもいいのです。大切なのは、「女子力UP」でも「××系になること」でもなく自分を高めること。
本書のあとがきに、「
『自分はどう見られているか』を考えている限り、誠実に生きることはできない」とあります。大多数の見えない相手ばかりに思いをめぐらせるより、自分の本音を突き詰めて、自分に誠実に生きようという、熱いメッセージに感じました。
<TEXT/森美樹、女子SPA!編集部>
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