また、結婚し生活を共にする場合、日常性が強い関係性になっていきますので、セックスという非日常的行為への切り替えが上手くいかなくなります。すると、性的対象として見られなくなります。恋人から家族になってしまうという言い方をすればわかりやすいかもしれません。 　それから、男のプライド問題というネックもあります。多くの男性は、小さい頃から社会に出てもなお、競争し勝負するということを宿命かのように背負わされています。なので、セックスも勝負のようになっていて、マウンティング出来る相手にしか欲情出来ない人が多いです。処女信仰なんかもこの類です。 　セックスを通して自信を得たい男性は多いです。なので、自分に対して肯定的感情を持っている相手でないとセックス出来ないし、勃起出来ないのです。例えば、喧嘩をした時に感情的に罵られ、精神的に重傷を負わされた場合は、その時の記憶がトラウマとして残り、その相手に欲情出来ないのです。「あんたのセックスで気持ちいいなんて思ったこと一度もないのよ」とか「あんたとセックスしたいなんて思う女はいないからね。生理的に気持ち悪いもん」などと言われた場合、後から「あれは本音じゃないからね」とフォローされても後の祭りなのです。