女性がなりやすい摂食障害と、それに伴い誘発される窃盗癖。ただ、摂食障害でなくとも、女性は男性に比べてクレプトマニアになりやすいと斉藤さんは言います。
「
女性の方が男性よりも『購買行動』が生活習慣に密接に関わっています。依存症とは環境への適応行動なので、必然的に女性が多い。現在、若年層と逆転して65歳以上の高齢女性の万引きも社会問題化しつつあります。
主婦が節約のつもりで始めたものが常習化する場合もあれば、仕事での人間関係のストレスなどから、その対処行動として万引きし、達成感(成功したときのすっきりした感覚)や優越感(レジに並ばずに自分だけタダで店の商品を手に入れる)を求めてはまっていく場合もあります」
今まで万引きとは無縁でも、何らかの喪失体験をきっかけに始まるケースもあるそうなので、日頃から一人でストレスを溜めこまないよう注意したいですね。
【斉藤章佳 プロフィール】
1979年生まれ。精神保健福祉士・社会福祉士/大森榎本クリニック精神保健福祉部長。大学卒業後、アジア最大規模といわれる依存症施設である榎本クリニックにて、アルコール依存症を中心に薬物・ギャンブル・性犯罪・クレプトマニアなどさまざまなアディクション問題に携わる。2016年から現職。専門は加害者臨床。著書に『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス)など。
<TEXT/女子SPA!編集部>
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