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元ANA社員の会話術。ムカつかれない断り方、話が続く質問のコツとは?

 一流のコミュニケーション術は、賞味期限のない魅力。そんな感想を抱いた書籍『思わずマネしたくなる 好かれる人の話し方、信頼される言葉づかい』。著者の桑野麻衣さんは、ANAにオリエンタルランドにジャパネットたかたと、多種多様な会社でサービスを学び、現在マナー講師として活動しています。
好かれる人の話し方、信頼される言葉づかい

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 コミュニケーションは、相手ありきで成り立つもの。学生時代ならいざ知らず、社会に出れば様々な年代の人と渡り歩かねばなりません。ちょっとした会話のズレが、大きな溝を作ることも。以下は、よくある飲み会での会話。  上司に「好きな飲み物を頼んでいいよ」と言われ、その時に飲みたかったものをオーダーしたら、不満顔の上司に「普通、ビールじゃない? 皆、ビールを頼んでいるでしょう」と言われる。……これ、若き日の私の実体験です。世代や立場の違いが生んだ、典型的なズレだと思いませんか。

「線の質問」と「点の質問」をうまく使い分ける

 聞き上手な人が好かれる、というのは一般論ですが、ただやみくもに相手へ質問ばかりしていたら会話になりません。大切なのは「線の質問」と「点の質問」と本書。例えば、 A「国内旅行と海外旅行どっちが好き?」 B「国内旅行かな」 A「国内だとどこが好き?」 B「沖縄が好きだね」  という風に、相手の話した内容を深堀りしていくのが「線の質問」。 会話A「国内旅行と海外旅行どっちが好き?」 B「国内旅行かな」 A「どのくらいの頻度で行くの?」「今年はもうどこか旅行の予定はあるの?」「旅行以外に趣味はあるの?」  という風に、どんどん会話を広げていくのが「点の質問」。 「線の質問」で話題を深め、「点の質問」で新たに話題を広げていく。このバランスが大事なのだとか。

「平謝り」は卒業。誠意ある謝り方のポイント

 社会生活のみならず、日常生活でも多用するのが「謝罪」の言葉。私の場合、謝罪を感謝に置き換えられないかを、まず考えます。待ち合わせ時間に遅れたさいは、「遅れてごめんね」よりも「待っていてくれてありがとう」など。自分への免罪符(めんざいふ)で恐縮ですが、相手の気持ちを不快から快へ、少しでもシフトできたらという気遣いでもあります。

断るときは、この言葉とセットにすると角が立たない

 謝罪と同様に難しいのが、「お断り」。たとえば会食の誘い。一度断ったら、もう誘われないかも。でも先約があるし……。こんなシーンも日常茶飯事ですよね。本書がおしえる秘策は、「お断り」の前に「感謝」を伝えること。最初に謝罪から入ると、誘った相手に罪悪感を持たせてしまうかもしれませんよね。お誘いしてくれた嬉しさをまっすぐに伝えてから、心を込めて謝罪をすれば、次につなげることができるはず。  SNSが便利なツールとして浸透している反面、人と関係が希薄になりがちな昨今。本音は皆、人とあたたかいコミュニケーションを取りたいのではないでしょうか。ただ、勇気がなかったり、あと一言のタイミングが合わなかったり、ほんの少し損をしている気がするのです。  素直な心を言葉に変える術を、本書から学んでみてはいかがでしょうか。 <TEXT/森美樹> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
森美樹
小説家、タロット占い師。第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『私の裸』、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)、『わたしのいけない世界』(祥伝社)を上梓。東京タワーにてタロット占い鑑定を行っている。X:@morimikixxx
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