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結婚後1回もしてない、自己紹介が怖い…みんなの悩みに人気作家2人がアドバイス

 恋人・アスカと過ごした6年間の出来事を中心に、ひとクセある女性に振り回されてきた半生を綴った『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)で今年1月にデビューした爪切男さん。

 そして、衝撃の私小説『夫のちんぽが入らない』で昨年デビューし、今年1月には家族のことや職場のことなど何もない田舎での半生を描いた第2作『ここは、おしまいの地』(太田出版)を上梓したこだまさん。

 いずれの作品も、おかしみと哀しみが同居した赤裸々すぎる内容が大きな反響を呼んでいます。

左から、こだまさん、爪切男さん、司会の福田フクスケさん

左から、こだまさん、爪切男さん、司会の福田フクスケさん

 そんなお二人は、文学フリマでともに同人活動を行ってきた仲間。このたび同時期に本を出版したことを記念し、3月24日にトークショー「恐怖症の夜会」が開催されました。

 タイトル通り、トークテーマは多くの人が大なり小なり抱えている“恐怖症”について。参加者から寄せられた悩みに対し、注目の作家であるお二人はどう回答するのか? 興味をそそられ足を運んできました。

作家の恐怖「Amazon1つ星」のやり過ごし方



会場の様子 会場は東京・神楽坂のスナック。お二人の読者で満員御礼のなか、ちょっと元気のない爪切男さんとフェイスマスクを着用したこだまさんが登場です。

 爪さんが元気のない理由は、「来場前に神社に参拝に行き、『このお願いは他人に見られないほうがいいだろう』という絵馬を裏返したりしていたら神主さんに叱られたから」とのこと。一方、こだまさんはご家族に内緒で作家活動をしているため顔出しNGで、人前に出るときは必ずマスクを着用しているのですが、今回のマスクはサバイバルゲーム用だという相当いかついもの。しょっぱなから独特のムードが醸し出されています。

こだまさん

声が聞こえづらいため、話すたびにマスクをちょっと持ち上げるこだまさん

 司会者に本を出版してからの反響を尋ねられ、「一生分の誹謗を浴びてふっきれた。いまは締め切り前はあえて低評価のAmazonレビューを読んでカーッとなりながら書いています」とこだまさん。

 爪さんは、「ずっと生き別れになっていて30年ぶりに再会した母親がわざわざ1つ星のレビューの画像を送りつけてきて、そのあと『これを書いたのは私です』と5つ星のレビューの画像を送ってきた。息子の1つ星を自分の5つ星で相殺してくれたらしい」と面白エピソードを披露。その後も語られる母親のエキセントリックな言動に、会場から笑いが起こります。

 そして、トークはいよいよ本題の“恐怖症悩み相談”へ。こだまさんは対人恐怖症、爪さんは閉所恐怖症に悩んでいるだけあり、参加者のどんな悩みにも真摯に答えます。

「宇宙恐怖症」から「既婚童貞」まで、変わった悩みが続々



悩みに答えるこだまさんと爪切男さん「自己紹介恐怖症です」という悩みに対しては、「私も同じだから今日も喋ることを紙にまとめてきたけど、暗くて見えない。でも、喋れなくても周りの人は受け止めてくれるんだなと思いました」とこだまさん。

 同じく自己紹介が得意ではないという爪さんは、「1人2人は勝手にすべるので、そこで安心すればいい。名前だけ言って終わるのもかっこいいと思う。何か付け足そうとするから怖いのかも?」と回答。的確なアドバイスに納得です。

「宇宙恐怖症で催眠療法をやっても治らない」という悩みには、自身が閉所恐怖症の爪さんも夫が閉所恐怖症だというこだまさんも、「閉所の逆パターンですね。気持ちはわかります」と深く共感。そのうえで爪さんは、「自分も催眠療法をやったことがあるが治すのは難しい。治らないと思ってどんどん人に言っていったほうがいい。飲み会で人気者になれますよ」と前向きに受け入れることを提案。

なぜか同じポーズのこだまさんと爪切男さん また、恐怖症とは関係ない悩みもたくさん寄せられており、「私もちんぽが入らない人間で、結婚しないで一人でいることで親に怒られる。どうすれば結婚と孫を親にあきらめさせることができるか」という切実なものも。

 この、自分と同じ悩みを持つ相談者にこだまさんは、「本を出したら『私も入りません』という連絡がダイレクトメールできたりして、入らない人がたくさんいるんだということを知った。自分だけがヘンだと思わないで。母との関係には私も悩んだけど、距離を置くのが一番私には合ってた。自分の人生を生きてほしい」とあたたかい声をかけます。

 さらに、「結婚10年だが、“息子”が奮い立たないため既婚童貞。奮い立たせるために何か方法はあるか?」という悩みには、「自分は昔、電マを買いまくって家中のいたるところに隠したことがある。で、家に帰るなり玄関に置いておいた電マをアスカに当てて、『いや~!』と逃げたら別の場所からまた電マを取り出して、逃げる先々に電マがあるという恐怖にアスカを陥れた。奮い立つというか、あれは気持ちが興奮した。そこまでやっていいんだから、楽しんでほしい」と、カップルの秘めごとを暴露してくれた爪さん。

 自身の体験を惜しまず晒し悩みに回答するお二人に、会場は終始笑いの渦に。いつか、お二人の“悩み相談本”も読んでみたい……そんなことを思った一夜でした。

本にサインするこだまさん

トーク後にお二人の本のサイン会も行われました

<TEXT/持丸千乃 PHOTO/山川修一>

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