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SNSで出演者を発掘!世界中の映画賞に輝いた『フロリダ・プロジェクト』監督にインタビュー

 夢の国、フロリダ「ディズニー・ワールド」。そのすぐ近くの安モーテルに暮らす、無職のシングルマザーと6歳の少女と、ふたりを取り巻く人々の生活を少女の視点から、美しい映像にリアリティを滲ませ描いた感動作が『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』です。


 小規模作品ながら、世界中の映画賞に輝き、モーテルの管理人を演じたウィレム・デフォー(『プラトーン』『スパイダーマン』)が第90回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされるなど、高い評価を得ている作品です。日本公開にあたり、来日したショーン・ベイカー監督に話を聞きました。

ショーン・ベイカー監督

ショーン・ベイカー監督

前作『タンジェリン』に続き、SNSでキャストを発掘



――少女ムーニー(ブルックリン・キンバリー・プリンス)や友達の子どもたちはもちろんのこと、シングルマザーのヘイリーを演じたブリア・ヴィネイトが素晴らしかったです。監督は、性的マイノリティを見つめた前作『タンジェリン』のキャスティングでもSNSを活用されていますが、ブリアもインスタグラムで発掘されたとか。

監督:キャスティングについては自分でも驚くほどに満足しているよ。この映画では、出資者やプロデューサー、ジューン・ピクチャーズが賭けに乗ってくれた。僕は机に並んでいた全てのハリウッドのAクラスキャストを排除して、インスタグラムの画面を見せながらこう言った。「彼女しかいない。人生で一度も演技をしたことはないけどね」ってね(笑)。

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』より

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』より

――ブリアとブルックリンが顔を合わせたときのことを教えてください。

監督:劇中ではお母さんと娘という関係性だけれど、ブリアには、姉と妹のような気持ちで演じて欲しいとお願いしたんだ。ヘイリーはとても若い母親だし、まだまだ未熟なところがあるからね。初めて一緒にテスト撮影をしてもらった時に、彼女がそのことをしっかり頭に入れて、ブルックリンとフィフティ・フィフティな関係で演じてくれた。それにブルックリンも応えてくれた。最初のテスト撮影の時には、僕が知らない流行りの曲を二人で歌いまくっていたよ。

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』より

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』より

管理人役にはベテランのハリウッドスターを起用



――一方で、管理人のボビー役はハリウッドスターのウィレム・デフォーが演じています。

監督:ウィレムは、まさにその世界に溶け込んでくれていた。彼ほどの経験値をもったベテランの俳優がそこまでやる必要がないくらいに。とても優しい人で、ブリアと仕事するときには、軽く盛り上げてくれていた。先生というよりは普通に会話の中で応援してくれる感じでね。当然、ウィレム自身は自分でキャラクターに到達できるし、監督としての僕の仕事を軽くしてくれた。

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』より

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』より

――全体を通じて、カラフルな色彩がとても印象的でした。

監督:撮影監督が、プロダクション・デザイナーと衣装デザイナーと一緒に、どの色彩をいつ使うのか、どの色彩とどの色彩をあわせるのか、そうすることによってどうやって感情を盛り上げるのか考えていったんだ。加えてフロリダ独特の色彩を、80年代の素晴らしいレンズで撮影することができた。あとは35mmのフィルムを使ったことが大きいかな。僕は35mmがすごく好きなんだ。豊かなルック、デジタルでは捉えられないような質感を得ることができたと思う。

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』より

『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』より


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作品が多様化し、アカデミー賞も変わってきた

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『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』は5月12日より新宿バルト9ほかにて全国公開 配給:クロックワークス




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