セクハラ問題をスルーして、オヤジに媚びる与党女性議員たちの罪|古谷経衡
女性総理大臣の誕生がセクハラ撲滅への近道?
伊藤詩織さんが拙著『「道徳自警団」がニッポンを滅ぼす』(2017年12月刊行)のインタビュー(「プレジデント」2018年4月2日号)を受けたとき、彼女と1時間ほど話した。伊藤さんは性被害に遭った際、即座に告発をすることは出来ず、関係各所に救いを求めた結果、様々な人の手助けを以って、時間を十分に取ってから告発した(逆にこのことが加害者の刑事訴追を困難なものにしてしまった)。
だがそれは、侵略戦争に抗するゲリラ戦の準備である。いつかは告発してやろうと、自分が優位な条件がそろったときに初めて反撃するのは戦術の常道であり姑息(本来の意味ではない)だの卑怯だの言われる筋合いはない。
しかし自民党などの女性議員の多くは、地盤があり閣僚経験があり知名度がある。もう十分に優位な条件が整っているのに、男性的価値観に追従して媚びへつらっている。無論、そういった体験がないのなら服従の理由はないが、人権侵害に窮する国民を、まして同性の議員が救わんとしないのは理解に苦しむ。
野田はセクハラ問題の解決方法として、女性総理大臣が再構築することによって変革しうる、と答えた。そうなれば圧倒的に優位な戦力を手にすることが出来る。つまり戦力の格差が逆転するのだ。日本初の女性総理大臣が誰になるか分からないが、その日が一刻も早く来るのを願ってやまない。
【古谷経衡 プロフィール】
1982年札幌市生まれ。文筆家。日本ペンクラブ正会員。立命館大学文学部史学科(日本史)卒業。インターネット、ネット右翼、若者論などを中心に言論活動を展開。
<文/古谷経衡 編集/森くまお> 1
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