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セクハラ問題をスルーして、オヤジに媚びる与党女性議員たちの罪|古谷経衡

 元財務事務次官、早稲田大学の名物教授、著名写真家……。今年に入り、次から次へと日本国内でセクハラが暴露されてきた。

「日本のセクハラ問題を解決するためには、女性総理大臣を誕生させるしかない」。文筆家の古谷経衡氏は自著の『女政治家の通信簿』でそう語る。その真意とは――。

女政治家の通信簿※以下、『女政治家の通信簿』より一部を抜粋し、著者の許可のもと再構成したもの。

問題は、男性側が桁違いの戦力を持っていること


 アメリカ発の「#MeToo」問題が日本でも広がりを見せている。この問題のきっかけは、くだんのアメリカでハリウッド女優やモデルが、過去において上級の力関係にある男性からセクハラやパワハラを受けたことを告発したものだ。「#MeToo」問題には広義においてセクハラ以外にもパワハラなどが含まれていて、必ずしも、加害者が男性ではなく、女性の場合もあるが、基本的に日本における「#MeToo」問題の主眼は男性から女性へのセクハラである。

日本における「#MeToo」問題の主眼は男性から女性へのセクハラ こうした問題がなぜ起こるのかと言えば、キモくて青春時代を勉強のみに費やして異性にまったくモテなかったエリートのエロ親父が、出世して後年、社会構造の上部に居座っているから、という根本問題の他に、加害者である男性と被害者である女性との間に圧倒的な力関係の格差があるからである。

 つまり男性側が桁違いの戦力を持っているからセクハラ問題は起こる。強いのは男で弱いのは女である。この問題を日本でほぼ初めて提起したのはフリージャーナリストの伊藤詩織さんだったが、彼女の場合も肉体的にも社会的にも加害者とされる男性と比して圧倒的な力関係の格差があった。

エロ親父の矯正よりも、女性側にも抑止力を


 ではセクハラ問題の解決方法とは何かというと、これは実に簡単なことである。それはエロ親父の矯正教育ではなく、下手に手を出すと我が方に損害が出るという力の均衡の構築である。女性に手を出せば手痛い反撃や報復が待っているぞ、と事前に分かっていればセクハラ問題は解決する

 ヒトラーはこれが分かっていたからスイスとスペインに手を出さないでスルーした。北朝鮮も威嚇だけで結局アメリカと戦争が出来ないのは、ちょっとでも手を出したら自分が大変なことになるという、パワーによる抑止力が存在するからだ。

 財務事務次官(2018年4月辞任)とテレビ朝日記者の間で起こったセクハラ問題で機敏な動きを見せた自民党の女性政治家は、野田聖子以外いなかった。保守系の政治家は、まるでセクハラ問題に首を突っ込むと「上級の男性議員から目をつけられる」とでも言いたげに沈黙を守った。

 本来、セクハラ問題において女性の味方となるべき与党の女性が、女性側に立って参戦するどころか、男性的価値観に追従し、それを忖度し、さらに男性的価値観に対して男性よりもさらに「先回るようにして」大胆に肯定することで、男性議員や男性有権者の歓心を買い、場合によっては「オタサーの姫」になることで、むしろ女性の側が積極的にこの男女間の戦力格差を容認し、推奨している場合が多い

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セクハラ撲滅への近道は?

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