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溶岩がボートに直撃…ハワイの火山見学ツアーは安全なのか

 5月の噴火以来、今も溶岩が流出し火山活動がおさまらないハワイ島キラウエア火山。先日、その溶岩を海辺から見学する観光ボートに、爆発によって飛び散った溶岩が直撃し、負傷者が出る事態が発生しました。避難している住民がいる一方で、溶岩見学を行う人がいるとは……。

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 ハワイ島の火山見学は今、どうなっているのでしょうか?

倒壊住宅は600軒以上、まだおさまらない火山活動

 ハワイ島キラウエア火山の噴火から約50日が過ぎ、倒壊した住宅は600軒以上、現在も一部地域の住民は避難生活を送っています。ハワイ島観光のメインとなるハワイ火山国立公園は毎年200万人、一日平均で5,000人もの観光客が訪れる、ハワイでも有数の観光スポットですが、現在も閉鎖が続いています。  7月、8月はアメリカの長期夏休みと日本の夏休みが重なるため、本来なら観光客でにぎわうピークシーズン。しかし、ハワイ島の火山国立公園周辺では観光客減少のあおりをうけて、営業時間を短くする店が出るなど、経済的にも厳しい状況にあるようです。

溶岩見学ツアーがひそかに人気!?

 一大観光スポットが閉鎖されている中、流出している溶岩をあえて見に行くという観光客もいます。真っ赤な溶岩が大地をうねるように進み、海まで流れつく様は、そう見られる景色ではないと、溶岩見学を行う人がいるんです。

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 火山噴火前から行われている観光オプショナルツアーに、ヘリコプターで火口を上空から観察するもの、溶岩が海に流れ落ちるところを海からボートで見るものなどがあります。上空には飛行規制区域が設けられ、海上では火山のある沿岸から300m以内への進入は禁止されていて、そのような見学ツアーはもちろん安全区域内で行われています。  でも、中には禁止区域内に入るような人もいるのが事実。過去には、2018年2月に15,000ドル(約165万円)の罰金を受けたボートが3件あったと、地元メディアで報道されています。

溶岩が直撃したボートは200m以内まで近づいたのか…!?

 沿岸警備隊では、事前の申請を行うことで沿岸50mまで近づけると認めていて、溶岩が直撃したボートは183mほどまで近づいていた可能性があると報じられています(この事件発生後、沿岸から300m以内への進入はすべて禁止されています)。  溶岩見学ツアーに限らず、必要な許可などをきちんと取得した、信頼のおけるツアー会社を選ぶのは自分自身の安全を守るために必要不可欠なことだと、痛感せずにはいられません。  まだ詳しいことは調査中のようですが、今回の溶岩直撃ボートの事件は、もしかしたら安全区域内にいれば起こらずにすんだかもしれません。5月の噴火以来、噴火関連のケガ人は誰もいなかっただけに、地元民はこんなネガティブなニュースが世界中に報道されることに苦々しい、複雑な思いを抱いているように感じられます。 【参考】 http://www.honolulu.us.emb-japan.go.jp/itpr_ja/whatsnew20180717.html https://www.khon2.com/news/local-news/hawaii-island-businesses-hit-hard-by-kilauea-s-eruption/1257664536 http://www.hawaiinewsnow.com/story/38657890/how-close-is-too-close-coast-guard-issues-important-reminder-for-boaters <文/佐藤まきこ> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
佐藤まきこ
女性誌のエディターやファッションビルの広告・プロモーションのプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのエディター・ライターへ。ハワイ在住。Instagram:@hawaii_milestone
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