「ウチにいいお酒があるの♪」と誘える絶品の日本酒
「わたし、お酒弱いんですぅ」と言って、甘~いカクテルを頼むのが女子力高い…と思っていませんか? それはね、過去のモテテクです。
もちろん、実際に弱いとか甘いカクテルが好きならよいのですが、「ホントは日本酒が好きでいくらでも飲めるの…」なんていう女性は、隠さないほうが吉。一緒に大人の酒を楽しみたいメンズは、実はとても多いのです。
酒ライターとして20年来活躍してきた「酔っぱライター」江口まゆみさんによると、「特に日本酒は、ここ数年、女性のあいだでブームが続いているんです。その背景のひとつに、老舗の蔵元で、若い後継者たちが新しいお酒を産み出していることもあります」とのこと。
その江口さんが原案協力した漫画『酒と恋には酔って然るべき』(著者:はるこ)は、ラブストーリーでありつつ、毎回めくるめく日本酒が登場します(『エレガンスイブ』で連載中、第1巻が発売に)。
主人公・松子は32歳・独身OLで、家にワンカップ酒がズラリと揃っているほどの日本酒フリーク。ワンカップというと、おっさんのイメージがありますが、実はありとあらゆる銘柄があって、レンジでチンしてお燗(かん)するのに最適な形状だそうです。
第1話では、「末廣 Dr.野口カップ」(福島県)という、末廣酒造が会津の偉人・野口英世をイメージしてつくったワンカップが登場します。
漫画は、松子と、ちょっとSっぽい職場の後輩・今泉くんとの恋のゆくえが軸。松子が家で日本酒を飲んでいる話をすると、今泉くんは「今度飲みに行っていいですか?」などといって、実際に部屋に来ちゃったりするのです。でも飲んだら帰ってしまうし、松子に気があるんだかないんだか、よくわからないーー。
このテの煮えきらない男性が増えているなか、女性のほうから軽く撒き餌(まきえ)をまいてあげないと、恋も始まらない。たとえば、松子のように「ウチにとっておきのお酒があるの」という話をすると、「へえ~、美味しそうだな」「飲みにくる?(笑)」「行っちゃおうかな~」なんて展開になるかもしれませんよ。
ということで、SSI認定・唎酒師(ききざけし)でもある江口まゆみさんに、「飲みにくる?」と言えるぐらい魅力的な日本酒を教えてもらいました。
まずは、漫画で松子が「こんな日本酒はじめて…!」と感動する「新政 No.6」。
「蔵で発見されて全国に広まった6号酵母のみを使い、全量純米酒で速醸酛廃止というストイックなつくりから生まれるのは、奥行き深い味わいで軽やかな酒。主人公の松子がこの酒を飲んで涙しますが、本当に泣けます。
酒という小宇宙の中から、微生物のささやきまで聞き取れるような世界観に、誰もが打ちのめされるはずです」(江口さん)
特約店で売られてはいますが、大人気なので手に入れにくいという「新政 No.6」。特に「X-type」は数が少なくて、なかなか買えないそうです。
江戸時代から200年続く蔵元で、6代目が2005年に立ち上げた銘柄が「而今」です。
「フレッシュでジューシーな味わいが、みずみずしい桃やブドウに例えられるモダンな酒。この酒以降、若い蔵元の新感覚な酒が次々と登場して、女性の日本酒ブームに火がつきました。優しい旨味と穏やかなキレがふわりと着地する、その完璧なバランスは、美しいバレリーナのアラベスクのようです」(同)
その他、漫画の第1巻に登場する、薄にごり酒「春一番」(茨城県・木内酒造)や、立春朝搾りの「甲子」(きのえね、千葉県・飯沼本家)などなど、どれも美味しそう~~!
器も、ぐい呑みだけでなく、ワイングラスのようなものや、ガラス・陶器・錫(すず)・漆などいろんな素材のものが出ているので、家飲みを楽しみたいですね。
<取材・文/女子SPA!編集部>
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「ウチに美味しいお酒があるの」という誘い文句




「新政 No.6」(あらまさ 秋田県・新政酒造)

「而今 特別純米」(じこん 三重県・木屋正酒造)
