前田敦子のような“スピード婚”は離婚率が高いという統計も。成功/失敗した人の体験談
人間関係に疲れ切って「逃げ婚」してしまった女性
「実家暮らしだったんですが、母親と折り合いが悪くて家を出たかった。仕事も職場の人間関係で疲れ果てていました。
そんなとき趣味の音楽でつながっていたネットのオフ会があった。そこで出会った人と仲良くなって、3ヶ月後には結婚したんです。私が彼のマンションに転がり込んだだけの結婚。親にも反対されたので結婚式もなし。仕事も辞めました。
『しばらくのんびりすればいいよ』と彼は言ってくれていたのですが、1ヶ月もしないうちに私はこの生活を望んでいたのだろうかと思うようになって」
すぐに仕事を探し始め、1ヶ月後には再就職を果たした。彼は協力してくれていたが、彼女の心の中でどんどん違和感が大きくなっていった。
「はたと目が覚めたような感じ。私はどうして彼と結婚しているのだろう、彼と私はどういう関係なんだろう、と。確かに好きにはなったけど、家庭を作るビジョンを話し合ったわけではない、彼のどこに惹かれたのかもよくわからない。なんだかいろんなことがわからなくなっていって、それと新しい職場のストレスがごっちゃになって、家を飛び出してしまったんです」
女友だちの家に避難し、そこから会社に通った。不思議と精神的にラクになった。友だちに話を聞いてもらい、初めてわかったのだ。「自分は現状から逃げるために結婚したのだ」と。
実はこの「逃げ婚」、ときどき見聞きする。結婚さえすれば今の環境から逃れられる、新しい世界が開けると思い込む女性は少なくない。もちろん、「逃げ婚」がいけないわけではないし、実際、そこから新たな世界が広がる可能性もある。最初から「逃げ婚」をステップアップだと割り切っていれば、何かが始まるかもしれない。
「私はわけのわからないままに逃げたんですよね。それが自分の重荷になってしまった。彼にはそのことをきちんと話し、謝って離婚してもらいました。今は友人と部屋をシェアして暮らしています。今の職場はやりがいもある。ここから人生をやり直そうと思っています」
やっと“自分の”人生を生き始めたと感じていると彼女は言う。彼女にとって、そのために必要なスピード婚だったのかもしれない。
<TEXT/亀山早苗>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
【亀山早苗】
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
1
2


