「anan」セックス特集は今年も女性に呪いをかける
もちろん、男性が好き勝手思うのは自由です。その人にも好みがあるでしょう。けれど、それを
雑誌というメディア、しかも女性誌で「こうじゃないと俺たち萎えるワ」と表現する意味とは? 心も体も満たされるセックスを提案する特集で、女性の肉体が男性から査定され、あまつさえ否定までされる矛盾を、編集部は感じないのかな? これは女性に対して呪いをかけているのと同じだと、気づかないのかな?
そのあとは「大人女子のための保健体育」とつづき、自分の身体を大切にすること、避妊も女性が主体的に行うべきであることなどが説かれるのですが、読もうにもすごく目が滑る。そこには大切なことが書いてあるのに、ぜんぜん内容が頭に入ってこない。そりゃそうですよ、
「セックスしたいなら男性を欲情させるカラダになれ」といわんばかりのページを見たあとに「主体的に!」っていわれても、ねぇ。

「anan」1989年の「セックスできれいになる」
同誌のセックス特集は1989年、「セックスできれいになる」と題してリリースされたのが最初で、それはそれはセンセーショナルな企画だったといいます。でも、平成が終わろうとしている2018年に同誌が打ち出しているのは、
「(男性から見て)きれいなら、セックスできる」「男性を傷つけずに、愛される努力をすればセックスできる」でしかありません。
あれ? 自分から積極的にふるまい心も体も満たせるセックスを愉しんじゃお☆ っていう女性像は結局どこへ~? せっかく仲よくなれそうなコと出会ったのに、あれはなんだったのかしら。夏の蜃気楼のごとく消えてしまった……そんな気分で雑誌を閉じたのでした。
<文/桃子>
【桃子 プロフィール】
2009年から性にまつわるブログを始め、現在は国内のセックスカルチャーについて各種メディアで発信中。twitter:
@_momoco_