衝撃的な事実が発覚したのは、そんなある日のこと。アイデアも溜まってきたのでそろそろ本腰を入れて作品をつくろうとしていたY菜さんは、自分がとんでもない間違いをおかしていたことに気づきました。PCをLINEと同期し、自分の書き溜めたアイデアをチェックしようとしたその時。
「なんと、私がアイデアを送りつけていたのは自分の
『小説用』のグループではありませんでした。派遣先の正社員で、
当時密かに想いを寄せていた『小林さん』だったのです……」

忙しさもあって、アイデアを投げるだけ投げて、その後は確認を怠っていた彼女が悪いと言ってしまえばそれまでですが……。これはあまりにもショッキングな事態。さらに、その時点で
小林さんからは既にLINEがブロックされており、Y菜さんの恋はあっけなく終わりを告げたのです。
「確かに、前は休憩中に雑談したりランチに誘ってくれたりしていた小林さんが、少し前から冷たくなったな~とは感じていたんです。こういうことだったのか……と気づいて納得。でもアプローチをかける前で良かったかな、と今は思ってます」
その後、Y菜さんは派遣先が代わったため、小林さんとはそれっきり。風の噂で小林さんが「女って怖いよな……」と飲み会のたびに愚痴るようになったと耳にして、申し訳ない気持ちになってはいるのだとか。
「だって、小林さんってルックスがまさに私の理想とする『年上メガネ上司』で…
…書き溜めていたアイデアの数々もキャラは小林さんをイメージして書いたものが凄く多かったんですよ! 絶対、彼も気づいちゃったでしょうね。ショックだったろうとは思います」
恐るべし、BL好き女性! ちなみに、最近話題になったドラマ『おっさんずラブ』の登場人物に小林さんによく似た人がいて、Y菜さんはその姿を見るたびに少し心が痛んだそうです。
―
シリーズ 本当にあったトンデモLINEエピソード vol.10―
<文/もちづき千代子 イラスト/やましたともこ>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】もちづき千代子
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:
@kyan__tama