不育症と診断された場合、どのような治療をうけるのでしょうか。
「血液の凝固異常やホルモンの分泌異常の場合、服薬・自己注射が中心です。子宮形態異常の場合、内視鏡で手術をするケースもあります」
薬を飲むだけの場合もあれば、妊娠初期から分娩直前まで自己注射をしたり、状況によっては手術の施術まで、原因次第で治療は異なります。
「
不育症と診断されても、適切な治療を行えば、当センターでは約8割の人(*4)が、次の妊娠で元気なお子さんを出産されます。まずは不育症を専門とした医療機関で検査を受けてみてください。流産や死産は決してあなたに非があるわけではありません」
流産や死産を「人に言えない」「隠したい」という風潮があります。そんななか、一人自分を責めてしまう女性もいます。ですが一人で悩まず専門家に相談しましょう。
(*1)厚生労働省 平成28年度 人口動態統計特殊報告 「婚姻に関する統計」
(*2)国立社会保障、人口問題研究所 出生動向基準調査(第5回2015年)
(*3)平成23年度厚生労働科学研究費補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)
「地域における周産期医療システムの充実と医療資源の適正配置に関する研究」
(*4)2012年1月から2016年12月までに国立成育医療研究センター不育症外来を受診、治療を行い妊娠が確認できた353症例より算出(妊娠・出産・生児獲得率は年度をまたぎ計算)
<参考>
厚生労働省 全国の不育症相談窓口一覧
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/funin-02-01.html
国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター 不育診療科
https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/perinatal/fuiku/
<文/武藤徉子>