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松田龍平が映画を面白いと思えた瞬間を振り返る。「こういうことって起こりえるんだ」

 史上初、アマチュアからプロになった“しょったん”こと瀬川晶司五段の実話を映画化した『泣き虫しょったんの奇跡』が9月7日に公開します。



 かつて自身もプロ棋士を目指していた豊田利晃監督のもと、一度は夢に破れながら、再び立ち上がる主人公“しょったん”を演じた松田龍平さんに、「自分とシンクロした」という本作について聞きました。

松田龍平さん

松田龍平さん

映画のような実話だなと


――将棋の知識がなくても心に響く作品でした。実在の棋士・瀬川さんを演じられましたが、瀬川さんの人生に触れてどんなことを感じましたか?

松田:印象としてはすごく正直な方だなと。いろんなことに影響を受けてしまう方だからこそ、辛い思いもしてきたんじゃないかなと感じました。26歳までに勝ち上がらないと退会となり、プロへの道が閉ざされるという奨励会での厳しい日々も、アマからプロ編入試験に挑んだ6番勝負のときにも、いろいろ感じてしまう。ファンの方たちからの応援もプレッシャーに感じてしまう。そんな瀬川さんが最後に勝つという、映画のような実話だなと思いました

『泣き虫しょったんの奇跡』より

『泣き虫しょったんの奇跡』より

「もっと頑張れたのに」という思いがチャンスを呼び込んだ


――奨励会の退会が決まったとき、そしてお父さんとのくだり。あんなにも泣きじゃくる松田さんの芝居を見たのは、初めてでした。しょったんは、泣きながら「自分はそんなに頑張れていなかった」と告白します。「もっと頑張れたのに、やらなかった」という気持ちは、多くの人が抱えているものだと思います。松田さん自身は、共感しましたか?

松田:そう思うことは多いですね。もっとやれたんじゃないかって。ただ瀬川さんの場合は、もっと頑張れたのにという思いがあったからこそ、またチャンスが巡ってきたんだと思います。だから、そう思うことはすごく大切だと思うんです。

『泣き虫しょったんの奇跡』より

『泣き虫しょったんの奇跡』より

――気持ちを持ち続けていたからこそ、チャンスを呼び込んだと。

松田:そういう面もあると思います。でも、瀬川さん自身はもっとやれたと思ったかもしれないけれど、客観的に見れば、すごく努力してきたはずなんです。それでももっとやれたんじゃないかと思うことが、そもそもすごいこと。勝ち負けのはっきり出る世界で負けたから、余計にそういう後悔が大きかったのかなとも思います。

役者の場合は勝ち負けで見るのは難しい。同じ芝居でもよかったと言ってくれる人もいれば、つまらないという人もいる。明確な答えがあるわけじゃない。そもそも何をもって、やれたというのかも分からない。でももっと違う発想もあったんじゃないかといったことは考えます。瀬川さんの半生には、感情移入する部分が多かったですね。

『泣き虫しょったんの奇跡』より

『泣き虫しょったんの奇跡』より



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『泣き虫しょったんの奇跡』は9月7日より全国公開
配給・宣伝:東京テアトル




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