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夫が憎い、キライ…「産後クライシス」の心の嵐を切り抜けるには

産後クライシスから抜け出すには

 ふたりの温度差が広がる前に、「どうしたの?」と声をかけあえれば理想的だし、聞かれたほうも、自分のモヤモヤをうまく言語化して、相手に伝えることができればいいのだが、「頑張り屋の妻」と「真面目な夫」の組み合わせほど、気づいたときには妻の街は壊滅状態、ということが多い。 「頑張り屋の妻」と「真面目な夫」の組み合わせほど難しい そんな産クラど真ん中の事態になったときは、やはりお互いの状況を認め合っていくしかない。妻は夫の戸惑いに、自分の怒りをかぶせるのではなく受け入れる。そのうえで、家事を分担してほしい、休日は子供を連れだして欲しいなど、夫に望む「努力」を具体的に伝えてみてほしい。  間違ってはいけないのは、相手に望むのは「犠牲」ではなく「努力」であること。  自分と同じくらい苦しんでほしい、失ってほしい、傷ついてほしい。その衝動は理解できるけれど、そんなことを望む相手のためには頑張れないし、実現したところで、妻の持っているツラさは減らない。一瞬スッキリしたような錯覚にとらわれるが、そんなものはまやかしで、決して誰も救わない。  なので、どうすればあの嵐が収まるのか、「自分が我慢する」以外の方法で考えてみてほしい。そうすることで、自分が何に困っているのか具体化することができる。自分がどんなにツラい最中にあっても、それは相手にツラく当たっていい理由にはならない。  夫もまた、楽しみにしていた「赤ちゃんのいる生活」が想像していなかったカタチになってしまい、戸惑っているのだ。 戸惑う夫

妻の良さ、努力をもう一度言葉で伝えてあげてほしい

 夫はグチャグチャになった妻の街を一緒に眺めながら、「なんで家が壊れたの?」「なんで道路が割れてるの?」と今の妻の状況を責めるのではなく、「ここには立派な花壇があったね、手入れをするの大変だった?」「車がたくさん走って活気があったよね、にぎやかで好きだったなぁ」と、かつては当たり前すぎて特別に思わなかった妻の良さ、努力をもう一度言葉で伝えてあげてほしい。  産クラ真っただ中で、自分に対して攻撃的な妻の相手はシンドイだろう。罵声や冷たい態度はこたえるだろう。だけど、だけれども、それは妻のせいではないのだ。避けられない大きな力で、大事なモノを失ってしまった結果なのだ。そしてそれは、ふたりの子どもを守るため。 それは、ふたりの子どもを守るため 住み慣れた街を失い、肩を落とす妻のとなりに、そっと立ってみて欲しい。絶望的にみえた街の状態も、夫がいると、驚くほどのスピードで片付くことに気づくだろう。今度はふたりで一緒に、どんな街にするのか話してみてほしい。  ふたりで笑いながら、新しい街に想いを馳せるその瞬間が、産後クライシスの終わりなのだから。 ※本記事はnoteの記事「産後クライシスで失うものと、新しい街」の内容を著者の許可を得て再構成したもの。 ※1:大和ハウス工業による「家事」に関する意識調査。調査対象は全国の20~40代で同居の子どもを持つ共働きの夫婦、計600名。 <文/瀧波和賀 構成/女子SPA!編集部> 【瀧波和賀 プロフィール】 子育てメディア・コノビー編集部所属。ソーシャルマーケティングと育児本のご紹介記事を担当。陽気な夫・2歳の大食い娘の3人家族。育児系コラムを毎週更新
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