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『新潮45』事変を能町みね子・サムソン高橋が斬る「小川榮太郎クンはセクシー」!? vol.1

「困ったことに、相手のレベルが低すぎる」

サムソン高橋さんサムソン:それから、あらためてLGBT(運動)ってすごいな、って思ったよ。 能町:こんな目立たない記事まで掘り返したからね。 サムソン:私たちの世代では、1995年の「マルコポーロ」騒動を思い出すよね。「週刊文春」の編集長だった花田(紀凱)さんが雑誌「マルコポーロ」の編集長だったときに、そこで掲載した記事にきっかけに自主廃刊したあの事件。 能町:「ナチ『ガス室』はなかった」だっけ。 サムソン:そうそう。「マルコポーロ」はほんとに、フックだけの雑誌だったんですよね。コラムなんかは面白いのがあったんですけど。だから、作り方としては最近の「新潮45」に似てたよね。特集の記事で「ナチスのガス室はなかった」と主張したものを載せてしまって、ユダヤ人団体からの猛烈な抗議にあって、一発で廃刊が決定してしまった。 能町:それが文藝春秋から出ていた雑誌で、今度は新潮だもんね。 サムソン:だからというか、今回に関しては、そんなに言うこともないんだよね。 能町:困ったことに、相手のレベルが低すぎる。 サムソン:そう。私たち、ちょっとレベルが高すぎて(笑)。この程度だとそんなに論じることもないんですよね。 サムソン高橋さん&能町みね子さん能町:小川氏の文章も読んだけど、論文ではなくてエッセイでしたね。文人気取りの……。 ――「呵呵」(かか)とか書いてありましたね。 能町:そう、「呵呵大笑」の「呵呵」。 サムソン:カカってなに? サッカーの選手? 能町:明治期の文人とかが書く言葉で、「大声で笑う」っていう意味。小川氏は、「(笑)」のかわりに使ってるのかな。 サムソン:さておき、私は、水脈の記事はすべてがだめだったんだけど、むしろ小川ちゃんの記事ほうが好感は抱けると思った。 能町:小川氏のほうは、私もところどころわかることもあったよ。 サムソン:ひどすぎて面白いというのもあったし、自分のエゴが出てるから、エッセイとしては読める。 能町:エッセイとしては、石原慎太郎を読むのと同じ感覚で読めるところはあるかな。こういうおじさんまだいるんだね、って眺める感じで。
能町みね子さんが取材後に酔った勢いで描いたゆるキャラ「SMAG榮太郎クン」

能町みね子さんが取材後に酔った勢いで描いたゆるキャラ「SMAG榮太郎クン」

サムソン:いくつなんだろうね? 能町:意外と若いんだよ。1967年生まれって書いてあるから、51歳か。 サムソン:同い年だ! 私と小川ちゃん、どこで人生が分岐したんだろう。 能町:あっ、大阪大学文学部卒業だ。だから、アキラ(=サムソン氏)、地理的にもちょっと近いよ。同じ時期を大阪で過ごしてた仲間だよ。 サムソン:近いわ。私は大阪外大出身で、いまは大阪外大は統合されて大阪大学外国語学部になってるから、ほぼ同期といってもいいよ。 能町:じゃあサウナとか一緒だったかもしれない。 サムソン:で、杉田水脈は鳥取大学なのね。 能町:なんか、アキラとの縁を感じるね~(サムソン氏は鳥取県出身)。 サムソン:縁を感じる! 悪く言えない!

「ゲイの世界の定説では、◯◯はセクシー」

能町:小川氏の記事で気になったのが、「性には、生物学的にXXの雌かXYの雄しかない」って言ってるところ。 これ、実はXXYやXYYで生まれてくる人もいたり、色々あるので、そこからめっちゃ間違ってる。XXYのクラインフェルター症候群(男性の性染色体が一つ以上多いことであらわれる症候群。精巣の発育障害や無精子症を引き起こすこともある)とか普通に有名なのに、それも知らないんだ、って思った。 サムソン:「雄しべ雌しべ以外に、レズしべとかゲイしべというのは無い」とも言ってるよね。 能町:そう、すごい言葉作ってて(笑)。それと「『朝日新聞を叩く』『嫌韓本を書く』となれば、一定のメンバーが喜び勇んでその言論に馳せ参ずる。手堅いマーケット=支持層があり、安全地帯からどれだけ『敵』を悪し様に語っても許される構図が確立しているからだ」とも書いていて、このあたりは、「この人、わかってて言っていて、その上でこれを書くんだ!」と感じたから、面白いといえば面白かった。 それと、「この人はセックスのことばっかりずっと考えてるのかな?」というエッセイだよね(笑)。
新宿2丁目の「Campy!bar ASOBi」

サムソン高橋さんが日替わりキャスト(現在は月曜担当)として立つ新宿2丁目のミックスバー「Campy!bar ASOBi」でお話をうかがいました。

サムソン:私はね、小川榮太郎っていう人がホモフォビアっぽい文章を書いてるって聞いたとき、「あ、こいつきっとイケメン!」って思ったの。 能町:ああ、アキラ的にね。 サムソン:ゲイの世界では定説があるのよね。こういう典型的なホモフォビックなことを書くノンケ男はセクシー、っていうやつ。 能町:じゃあ、小川氏もトラウマを抱えてるかもしれないよね。過去にしつように言い寄られたとか。 サムソン:あっ、そうかもしんない(笑)。たいていね、「自分はアライだ」(LGBT当事者ではないが、LGBTに共感的な人々のこと)とか言ってるノンケの男性は、「イケない」んですよ。 能町:なるほどね(笑)。 サムソン:で、文章を読んで小川氏のチャーミングさがわかったよ。 能町:さすがですね。 サムソン:典型的なスケベオヤジを、ホモが遠くからみて、「ああ~、ちょっといやらしくてイケる!」ってうめいてる、みたいな感じとでも言いますか。 能町:……こんな記事で大丈夫なのかな(笑)。 サムソン:ひどいよね(笑)。 能町:これ、うちらが叩かれるんじゃないの。 サムソン:炎上だよ、逆炎上。新潮方式ですね。 能町:どうしたらいいんだろう(笑)。  次回、杉田水脈議員の文章に、能町みね子さんの赤字添削が炸裂します! <文/的場容子 & 女子SPA!編集部 写真/我妻慶一 撮影協力/Campy!bar ASOBi
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Campy!bar アイコン●Campy!bar ASOBi
女装パフォーマー/ライターのブルボンヌ氏がプロデュースするミックスバー。
日替わりキャストとしてサムソン高橋氏も店に立つ。(現在は月曜担当。変更の可能性あり)
新宿区新宿2-10-7 TOMビルB1FA
TEL:03-3354-6066
詳細はtwitterアカウント @Campy_bar

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