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ボーイズ誌『Samurai ELO』の妙なSEX特集。10代男子はこれでお勉強?

 男性向けファッション誌『Samurai ELO(サムライ イーエルオー)』。ファッションへのこだわりというよりは、「いかにして女子にモテるか」を徹底して追求した雑誌です。  5月号の目次をぱっとみると、「女子モテコーデ論」「西野七瀬(乃木坂46)に『どんな服着てる人が好き?』って聞いてみた」「女子に好かれる男の作り方」「女のコの気を惹く声の掛け方100本ノック」などなど、ひたすら並ぶ「女子」の文字。  この路線が中高生・大学生男子に支持され、発行部数は2011年には25万部を突破したとか(現在は公称20万部)。

「両方をバランス良く揉みしだけ!」

『Samurai ELO』2014年5月号

 この雑誌を語る上で欠かせないのが、毎号必ず載っている「セックス特集」。  「女のコはちょっと強引なセックスが好き」「女子大生のSEX 傾向と対策」「初めてのラブホ入門ガイド」「お願い!SEXランキング」エトセトラエトセトラ……手を変え品を変え毎月セックス記事を掲載しています。  ただし、単なる読み物記事で終わっていないのがポイント。セックスのハウツーが、女の子のセクシー写真とともに並べられているのです。女の子ほぼ全裸。乳首や局部は手や髪で隠されていますが、ぱっと見は完全にエロ本です。ピンクのバイブを手に持ってたりもします。  5月号のセックス特集は「最高のSEXを考える会」。男女がセックスに関する本音をぶつけあい、最高のセックスを考える……という趣旨。  並ぶアオリ、そしてそれに付けられた写真を紹介しましょう。 ●「おっぱいは両方をバランス良く揉みしだけ!」(両胸を揉まれている女の子) ●「フェラは苦手なコもいるので強要せず手コキをしてもらえ」(ピンクのバイブの先っぽを舐める女の子) ●「初心者が愛撫して気持ちいいのはアソコかクリトリス」(両足のあいだに男性の頭がカットインしている悩ましげな表情の女の子) ●「どうしてもバックでしたいならベッドのヘリに掴まってもらうのがベター」(バック体勢の女の子) ●「女のコには遊ぶ日、Hする日がある」(ベッドのふちに手をかけ脱がされかかっている女の子) ●「女のコもAVを観たりするらしい」(側位で致しているっぽい男女)

出版社は倒産するも、版元を移して生き延びた

版元を移して発行された2014年6月号

 登場する女の子は毎号変わります。5月号はアリスJAPANのAV女優・伊東紅。おそらく大半の読者が、文字を読まずに写真だけをライトなエロ本感覚で眺めているんじゃないでしょうか。エロ本耐性のある高校生・大学生ならともかく、もし中学生男子が読んだらいささか刺激が強そう。  「考える会」の意見交換で導き出された最高のセックスは、「両乳をバランス良く攻める」「奥までじっくり入る手マン(指は1~2本から始めて!)」「オーソドックスかつスムーズに挿入」「彼女がイケないようなら長引かせず自分だけイク」……もちろん伊東紅によるイメージ画像つき。  これを読んで数万人の男子がセックスを勉強しているんでしょうか? 「AVとリアルは違う!」などの文言はありますが、文字がちっちゃいのでほとんどの読者は読み飛ばしている予感。「オレ、マジックミラー号が超気になる」などの謎のマジックミラー号押しのほうが記憶に残ります。  セックス特集は、実用性よりもエンターテイメント性が重視されるもの。毎号避妊の大切さや思いやりセックスを問うと盛り下がるのもわかります。ただ、こういった特集を真に受ける10代の男子と、その男子とセックスする10代女子のことを考えると、「わーエロい誌面!」とはしゃいでばかりもいられません。『Samurai ELO』読者が、おまけに『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』も愛読してくれればよいのですが……。 『Samurai ELO』を発行していたインフォレスト株式会社は4月15日に事実上の倒産。多くの雑誌が廃刊になりましたが、同誌は三栄書房に移管して発行されることになりました。編集部がそのまま移った形になるので、編集方針は変わらなさそう。これからもさまざまなセックス特集を見せてくれることでしょう。 <TEXT/青柳美帆子>
青柳美帆子
1990年生まれのライター。女子とエロ・イベントレポート・サブカルを中心に活動中。「女子SPA!」「ねとらぼ」「マイナビウーマン」「エキサイトレビュー」などで執筆。好きなものは「少女革命ウテナ」。Twitterアカウント:@ao8l22
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