『まんぷく』で良い人すぎた長谷川博己の、ヤバイ魅力がいよいよ発動
NHK連続ドラマ小説『まんぷく』は、第7週(11月12日~11月17日)に入り、福子(安藤サクラ)・萬平(長谷川博己)夫妻は、塩作りの会社を創業。終戦後の食うや食わずの生活のなか、発明家である萬平が、「海水で塩を作ろう!」と思いつくのです。
ここまでの物語で、萬平さんは、才能豊かでありつつも、穏やかで優しく賢くまっすぐな、魅力的なキャラクターとして描かれています。
でも、一部、長谷川博己のファンの中には…
「良いんだけど、ホントはこんなはずない」
「魅力的だけど、やっぱりちょっと違う」
「どこか物足りない」と感じていた人もいるかもしれません。
なぜなら、長谷川博己と言えば、妄想しまくりの『鈴木先生』や、『デート~恋とはどんなものかしら』のオタク気質・引きこもり「高等遊民」、『MOZU』の神出鬼没のハイテンション&イカレた悪役「チャオ東」などなど、「主にちょっと変態」のイメージを持っているファンが多いから。
「優しくて真面目で良い人? いやいや、違うでしょ」と、ついイカレた面を期待してしまうのです。


と思ったら、泉大津で塩作りをする萬平は、夢中になり、どんどんハイテンションになり、目がつり上がってきました。
これまでも実は、こういう顔、ときどきしてました。
例えば、ドラマスタートの頃に作っていた発明品「幻灯機」が、福子の姉の結婚式でみんなに喜ばれ、ラッタッタという感じに去っていくとき。
独身時代の福子の勤めるホテルに突然行き、「福子さん、アメリカと戦争が始まってしまいましたね。でも、でも…僕と付き合っていただけませんか?」と脈絡なく告白したとき。
結婚後、疎開先の川に電柱から盗電した電気を流して魚を大量に捕まえたとき。
いつも夢中になるとき、興奮してテンションが上がるとき、楽しそうなとき、萬平さんはどんどん目が血走り、つり上がっていきます。
すると、じわじわと、一部ファンの愛する長谷川博己…「チャオ東」や「高等遊民」などのヤバそうな雰囲気が見え隠れするのです。
でも、発明家は、本来ぶっ飛んでいるはずですから、これぞ本領発揮とも言えるのでしょう。
福子は「本当の萬平さんの顔を見た気がしました」と喜んでいましたが、同じ思いをハセヒロファンも抱いているかもしれません。
―NHK朝ドラ『まんぷく』レビュー―
<文/田幸和歌子>
『まんぷく』の長谷川博己は物足りない?


萬平さん=長谷川博己の目がつり上がってきた!
田幸和歌子
ライター。特にドラマに詳しく、著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』など。Twitter:@takowakatendon