その後も着実にキャリアを築き、マーク・フォースター監督作『チョコレート』(2002年)で死刑囚の妻を熱演し、アカデミー賞史上初のアフリカ系アメリカ人女性として主演女優賞を受賞しました。
彼女を一流俳優の仲間入りにした本作では、共演者ビリー・ボブ・ソーントンと彼女が
映画のシーンで本当にセックスをしたという噂が起こったことをご存知でしょうか?
「NC-17」(17歳以下の子供は入場禁止)に指定されるのを避けるために、
オリジナルから1分間のシーンがカットされたほど、リアルすぎたセックスシーン。どうやら噂は真実ではないようですが、ハルの当時の夫エリック・ベネイも、ボブの当時の妻アンジェリーナ・ジョリーもかなり嫉妬したと言われています。
ところが、2004年に公開された『キャットウーマン』で彼女は
ゴールデンラズベリー賞最低主演女優賞(ラジー賞)を授与されてしまいます。毎年アカデミー授賞式の前夜に“最低”の映画を表彰する映画賞ですが、このとき、ハルは表彰式にわざわざ登壇し、『チョコレート』で獲得したオスカー像を片手にラジー像をもう片手に掲げながら、
アカデミー賞授賞式で行った自身のスピーチをパロディ化しました。批評にユーモアで返したハルに、世間は拍手喝采を贈ったのです。
インスタグラムのワークアウトの投稿が話題を呼んでいるハルですが、彼女のパーソナルトレーナー曰く、
ハルは25歳の身体能力をもっているのだとか!(※3) 毎週金曜日に#FridayFitnessというハッシュタグで投稿されるハルの姿は、もはやプロのアスリートレベルです。
さらに、彼女が最近はまっているのが
骨のブロススープ。動物の骨を24時間煮込んで作るスープはコラーゲンとプロテインが豊富で、彼女が実践している
ケトン体ダイエット(糖分、加工食品、低脂肪食品、穀物、グルテン、炭水化物の多いフルーツ、植物油を避ける食生活)とぴったり合うそう。実は、28年間も1型糖尿病と戦ってきたハルだからこそ、行き着いたライフスタイル。どうやら、
低糖質で高タンパク質の食事とワークアウトが、ハルの美と健康の秘密みたいです。
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アメリカ映画界において、「アフリカ系アメリカ人女性初」の道を切り開いてきたハル・ベリー。彼女の試練に立ち向かう強さとユーモア、そして自分の体を愛おしむ日々の努力、見習いたいものですね。
【参考】
※1:Flashback! All-American girl Halle Berry is unrecognisable as 1986 Miss World hopeful – Mail Online
※2:Halle Berry Speaks On Losing 80 Percent Of Her Hearing – The Urban Daily
※3:Halle Berry’s #FridayFitness Is the Highlight of the Day – MEN’S HEALTH
<文/此花さくや>
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此花わか
ジェンダー・社会・文化を取材し、英語と日本語で発信するジャーナリスト。ヒュー・ジャックマンや山崎直子氏など、ハリウッドスターから宇宙飛行士まで様々な方面で活躍する人々のインタビューを手掛ける。X(旧twitter):
@sakuya_kono