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安室奈美恵が「声帯を壊した」告白。裏にあった“ムダに高い音”競争

 1月20日に放送された『NHKスペシャル』で、安室奈美恵(41)が語った引退の理由が波紋を呼んでいます。

安室奈美恵、引退理由のひとつは「声帯を壊した」


「声帯を壊してしまっていた時期もあって、声帯も限界なのかな、声がうまくでないなとか」と、ベストコンディションを維持できなくなったことを告白したのです。
 声帯を壊したのは7年前だそうですが、2010年には声帯炎でツアーを延期したこともあり、もしかしたらもっと長く不調に苦しんでいたのかもしれません。

安室奈美恵 Just You and I

安室奈美恵「Just You and I」

 最近休養を宣言した西野カナ(29)も、一部で声の不調説がささやかれていますよね。実際、最近では音が上がりきらない場面が少なからず見受けられました。

西野カナLove Collection 2 ~pink~

西野カナ『Love Collection 2 ~pink~』

 大きなホールで、大観衆を前に高い音で歌うという長所が、歌手本人を苦しめてしまうのは、なんとも皮肉に思えます。

 では、なぜ自分の体を傷めつけるような歌い方をしなければならなかったのでしょうか? それを考えるために、少し日本と海外の音楽シーンを振り返ってみたいと思います。

1995年頃からの「金切り声」競争


 思えば、1995年あたりから、日本の音楽シーンではやたらとキーの高さやオクターブの広さを持ち上げる風潮が生まれました。少し挙げるだけでも、島袋寛子(34)と今井絵理子(35)のSPEEDや、KEIKO(46)のglobe、そして華原朋美(44)とか小柳ゆき(36)。みんな競い合って金切り声を出しているような時代でしたよね。

 安室奈美恵は、そんな音楽シーンの先頭を突っ走っていたわけです。

 しかし、こうした“ハイトーンボイスの歌姫”ブームは、自然に起こったわけではありません。日本にCDバブルが起こる少し前(1992年から96年あたりでしょうか)の海外チャートを見てみると、マライア・キャリー(48)、ホイットニー・ヒューストン(1963-2012)、セリーヌ・ディオン(50)など、おなじみの名前が目立ちます。



 特に“7オクターブの歌姫”マライア・キャリーのインパクトは絶大でした。
 キーの高さやオクターブの広さなど、数値化できる物量で歌を評価する邦楽の傾向は、マライアの「Without You」やホイットニーの「I will always love you」なしには生まれなかったでしょう。

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ハイトーン至上主義でいびつな曲も

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