「もちろん夫婦だからこそ得られる楽しいことや充足感はあると思いますが、配偶者って家族とはいっても所詮は血がつながっていない他人。そんな他人に自分の人生を振り回されたくないな、とも思っちゃって。 　一人なら何が起こっても自己責任ですが、例えば旦那が犯罪を起こしたら、妻の人生もそれなりにかき回されてますよね。巻き込まれたくないなって（笑）」 　いくらなんでも結婚に対して悲観的すぎる気がしますが、帆乃香さんの意思は固いようです。けれども、結婚したいほどに大好きだと思える恋人ができた場合はどうするのでしょう？ 「以前付き合っていた彼とは、お互いアラサー同士ということもあって、自然と結婚しそうな雰囲気になっていました。だけど、彼の両親に挨拶しに行ったとき、彼のお母さんから根掘り葉掘りとデリケートなことまで質問攻めにあって辟易（へきえき）したんです。 　彼のことは好きでしたけど、もし結婚したらこのお母さんとも家族になるのかと思うとゲンナリしてしまって。彼を好きな気持も徐々に薄くなってきました。結局、彼とは別れちゃいましたね」 　結婚は、夫婦2人だけではなく互いの親族とも付き合っていかなければなりません。確かに、面倒事が増えてしまう一面もありますが……。 「これから誰かと付き合うことになったとしても、最初に、結婚に対して前向きではないということをキチンと伝えて、理解してもらえる人としか付き合わないようにしようと思っています」 　結婚をするもしないも個人の自由。なにはともあれ、1人のアラサーの女として、この先どう生きていくかを真剣に考えるきっかけをくれた、既婚者の女友達の存在は貴重です。 ―シリーズ「結婚・出産を“しない”と決めている人たち」― ＜文／満知缶子＞