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稲垣吾郎が父親役に。もし娘がいたら「全財産を注ぎ込みます(笑)」

 炭焼き職人の男を稲垣吾郎さんが演じて新境地を見せる『半世界』が公開になりました。人生の折り返し地点を迎えた39歳の男が、旧友との再会をきっかけに自分を見つめなおす、阪本順治監督によるオリジナル作品です。  ヒゲを生やした土臭い男・紘に挑んだ稲垣さんにインタビュー。紘は夫であり、父でもあることから、「もし稲垣さんに子どもがいたら?」との質問にもお答えいただきました。

「新しい自分を届けられる作品だと思った」

――普段の稲垣さんのイメージとは異なる役柄でした。 稲垣吾郎さん(以下、稲垣)最初に僕が一番驚きました(笑)。でもその驚きって、のちのち絶対いい形に変わると思うんです。たとえば30代の時、僕は三池崇史監督の『十三人の刺客』という映画で非道な殿さまの役を演じましたが、そのときも最初はビックリしました。でも評価をいただいて、そうした驚きにいいイメージがあったし、役を演じるというのはそういうこと。いつも同じでは自分自身もつまらないですし。
『半世界』より

『半世界』より

 今回の阪本監督もベテランの監督さんで、いろんな俳優さんを見出してこられたので、この方について行けば問題ないという安心感がありましたし、チャンスだなと思いました」 ――チャンス? 稲垣「新しい自分の一歩を踏み出す。個人としては初めての出演映画だったので、また新しい自分に出会える作品、そして新しい自分を観てくださる方に届けられる作品だなと。それには何か変わったと思ってもらわないと。環境が変わったときというのはそういうものだろうし、イメージが違う作品というのは、チャンスだなと思いましたね」

「今の僕は赤ん坊のような気分でいます」

稲垣吾郎――確かに新しい稲垣さんを観ることができました。紘は不器用な父親でもあります。 稲垣「そうですね。不器用とか、自意識があまりにもない、自分に興味がないといった感じは意識しました。これまで自意識の塊みたいな役が多くて、自分に興味のない役はあまり演じたことがなかったので、すごく面白いなと思いました。何かを肉付けするというより、自分をそぎ落としていくイメージでした。  監督は、『稲垣くんは、これまでこういう役をやってこなかったけれど、土臭い、泥臭い役もできる。僕にはそう見える』とおっしゃった。そぎ取っていって、最後に残ったものに、監督が、この役を僕ならできると思ってくれた何かがあるのかなと感じました」 ――チャンスというお話のなかで、環境が変わったとき、という言葉がありましたが、新しい世界に身を置いてみて、新しく見えてきたものはありますか? 稲垣吾郎6稲垣「新しいものだらけです。赤ん坊の目に映る世界のように色々なもの、すべてを新しく感じます。今まで見てきたものでも、こんな色をしていたんだとか、また違って見える。もちろん今までの時間も大切でしたが、どうしても慌ただしかった。企業に勤める戦士のようだったと思います。  多くのものを見せてもらいましたし、そのことによってファンの方もいてくださる。本当にかけがえのない時間でしたが、どうしても慌ただしさはあった。今は色々な事をゆっくりと、ちゃんとかみ砕きながら、吟味しながら自分の中に取り入れていくことができている気がします。だからすごく楽しいですよ」
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SNSを始めて変化した、ファンとの距離感
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『半世界』は全国公開中 配給:キノフィルムズ オフィシャルサイト
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