流行色のベージュ。老け見えしないために全身に足すべきモノは?
【モードをリアルに着る! Vol.70/小林直子】
色にもトレンドがあり、偶然にも多くのブランドが同じ色のものを発表することがよくあります。なぜこの「偶然」が起きるかというと、ブランドといえども、生地は生地メーカーから買っているからです。
ですからこちらのブランドとあちらのブランドの生地が実は同じメーカーのものだった、ということはよくあることです。
ベージュが一斉に上がってきたということは、2019年の春夏に向けて多くの生地メーカーがベージュの生地を作ったということです。
ポール・アンドリューがフェラガモのクリエイティブ・ディレクターに就任して2度目のコレクションは、デビューコレクション同様に、それまで保守的で、少し年配向けだったイメージのフェラガモを刷新するもので、奇抜なアイデアがあるわけではないものの、その色使いや微妙なシルエットのバランス感覚が若々しく、新しい可能性を感じさせるものでした。
方法は簡単です。手持ちのベージュのアイテムを使ってルックを作るときに、どこかにブライトカラーを加えればいいだけです。
先程のフェラガモのルックではコートという、面積が大きいところに使っていますが、必ずしもコートである必要はありません。ブラウスでもいいし、スカーフでも、バッグでも、靴でも構いません。
どこかに1か所、もしくは2か所、明度、彩度、ともに高い、はっきりとした鮮やかな色を取り入れましょう。そのことによりベージュのルックが生き生きと、若々しく見えてきます。
取り入れるブライトカラー以外の色をベージュで統一すると、よりモード風に、そこまで徹底しないで、単に全身を3色以内にまとめれば、より控えめになります。
取り入れるブライトカラーは空色のほか、フューシャピンクや黄緑色などでもいいですし、ベージュから派生する明るいイエローやオレンジ、レッドなどもいいでしょう。色が統一されるので、ぐっとシックになります。
もちろんコレクションのたびにブランドがオリジナルの色の生地を発注する場合もありますが、すべてオリジナル生地で作られているブランドはそう多くはないでしょう。何かしらは、もう既にある生地メーカーの生地を仕入れて、製品化します。
2019年春夏はベージュがトレンドカラーに
そしてその生地を選ぶブランドがある程度の数あり、たくさんのルックがコレクションで発表されると、その色がその年(またはその後に続く2,3年)を象徴する色となります。 そして、当たり前ですが、その年を象徴する色を選んで着るということもまた、非常にモード風であるわけです。
2019年の春夏はバーバリーを筆頭にディオール、クロエ、マックスマーラ、バルマンなど、ベージュを中心としたルックが多く発表されました。 ブランドによってベージュの使い方は、全身ベージュ1色、ベージュのグラデーションなどさまざまですが、今までにない感じではっと目を引いたのが、このベージュのシャツとパンツに、サテンの色鮮やかな空色を使ったルックでした。
老けた印象にならずにベージュを使う方法は?
ベージュという色は非常にシックな色ではあるものの、例えばシニア向けの衣服の中に多用されるように、一歩間違うと非常に老けた印象になり、「おばあちゃんみたい」になってしまうのが多くの方たちの悩みの種だったのではないかと思います。 老けた印象にならずベージュを使う方法はないか、その1つの答えがこのベージュ+ブライトカラーだと思います。
はっきりと鮮やかなブライトカラーをどこかに加えて
ブライトカラーの取り入れ方
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