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夫婦別姓を選べないことが仕事の足かせに…離婚・再婚を繰り返す人も

「姓を、変える権利も変えない権利も尊重されてほしい」

 前回の井田さんのケースも今回の加藤さんのケースも、“結婚して改姓すること”に疑問や不都合を感じたことのない人にとっては驚く部分もあったのでは? 夫婦 夫婦別姓が認められない現状について、「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」事務局長の井田さんはこう加えます。 「望まない人にまで夫婦同姓を強制する今の法律は、1/3の夫婦が離婚し、新たに結婚する夫婦の1/4はどちらかが再婚*といういまの日本にはまったくそぐわないものです。  同時に、改姓は働く人間や、ひとりっ子同士などお互いに姓を大事にしたいカップルが結婚できないといった深刻な不利益があり、非婚・少子化の原因にもなっています。これは国レベルで大きな損失ですよね」(*厚生労働省 平成28年度「婚姻に関する統計」より)  当然ながら、選択的夫婦別姓が導入されても、同姓か別姓かを選ぶのはあくまでその夫婦の自由。 「『一体感や絆が強まると思うから同姓になりたい』『家族全員同じ姓がいい』と考える方もいるので、“選択制”の導入を望んでいます。変える権利も変えない権利も尊重される。公私ともに一人一つの氏名が社会的にも一番シンプルな構造だと思います」  自分自身は改姓で何も困っていなくても、身近な人や自分の子どもが改姓により困るということは、今後起きてくるかもしれません。「自由に姓を選択できる社会になるといいな」という気持ちがあるならば、SNSで有意なニュースを広めたり署名したりして、「選択的夫婦別姓」に賛意を示してみてはいかがでしょうか? <取材・文/持丸千乃>
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日時:2019年3月31日(日)13:00〜16:30(12:30開場)
場所:明治大学 駿河台校舎 グローバルフロント 1階多目的ホール
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