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夜勤で流産リスクが32%増。看護師など過酷な夜勤にすり減る女性たち…

 夜勤もある不規則な勤務体制とストレスの多い職場環境で、「過酷」などといわれるのが、医師や看護師などの医療従事者です。そんなハードな仕事につく女性たちに追い討ちをかけるように届いたのが、「週に2日以上の夜勤がある女性は流産のリスクが高まる」というニュース。  女性ならば知っておきたい、夜勤と流産の関係とはどんなものなのでしょうか?

週2日以上の夜勤で翌週の流産リスクが32%アップ

夜勤で流産のリスクが32%もアップ 医療従事者の過酷な現場 デンマークのビスペビャー・フレデリクスベー大学病院の研究者たちが発表した内容についてご紹介しましょう。研究チームは、デンマークにある主に病院などの公共機関で働く女性のうち、妊娠した女性22,744名の勤務データと流産のデータを照合し、夜勤が妊娠4~22週の流産にどのような影響を与えているか調査しました。  その結果、妊娠8週以降で週2日以上の夜勤があった女性は、夜の勤務がなかった女性に比べて、翌週の流産のリスクが32%も高くなっていることが判明したのです。さらに1週間あたりの夜勤日数が多いほど、また夜勤が連続する日数が長いほど、流産のリスクも上がり、夜勤と流産のリスクの関連性は妊娠8週以降に強くなったこともわかりました。

日本でも看護職員の流産率が高まる傾向に

 今回のデンマークでの研究では、あくまでも観察的結果であり夜勤と流産の因果関係を裏付けるものではないと述べられていますが、調べてみると日本でも気になるデータがありました。 夜勤で流産のリスクが32%もアップ 日本医労連が看護職員33,402人を対象に行った調査(2017年)によると、妊娠している人の状況について「順調」と答えた人は26.4%しかおらず、「切迫流産」は30.5%、「流産」は10.0%で、過去の調査と比べても切迫流産や流産の割合が増えているんです。  勤務状況とストレスについて見てみると、日勤のみの人に比べて、当直がある人や夜勤交替制の人はストレスを抱える割合が高く、夜勤が大きなストレス原因となっていることが伺えます。  また、日本の看護職員で、休憩時間をまったく取れていないと答えた人は4割以上で、きちんと取れている人はわずか1割ほどでした。そんな過酷な労働環境が、少なからず女性の心身の健康だけでなく、妊娠にも影響を与えているのかもしれません。一刻も早く医療従事者たちの労働環境が改善することを願うばかりです。 <文/佐藤まきこ> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
佐藤まきこ
女性誌のエディターやファッションビルの広告・プロモーションのプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのエディター・ライターへ。ハワイ在住。Instagram:@hawaii_milestone
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