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シングルマザーに恋を諦めさせた意外な“障害”。『ミストレス』のような40代女性の恋

10年ぶりのデートに緊張、その結果は……

「最寄り駅近くで会って妙な噂をされると嫌だから、彼とは3つ先の駅の繁華街で約束していたんです。でも駅のトイレで着替えたとき、私、何をしているんだろうと思って……。いっそ帰ろうかと思いましたが、やはり彼には会いたかった」  初めてのデートは、いくつになってもドキドキするものなのだろう。年齢を重ねて自身の置かれた環境が複雑になればなるほどユキノさんのように罪悪感も増すから、それが緊張感をふくらませることにもつながる。 デート「デートは楽しかった。彼と話もはずみました。それから何度か会って、結婚を前提につきあってほしいと言われたけど、結局、私は新しい生活には踏み出せませんでした」  彼にはホテルにも誘われたが、彼女はそれも受け入れることができなかった。 「長いこと男性と接触がないと、本当に自信がなくなるんです。自分が女として見られているとは思えなくて。彼がつきあってほしいと言ってきたときも夫の保険金をあてにしているんじゃないか、義父母の家が目当てなんじゃないかと考えてしまう自分がいました。私自身には何の魅力もないはずなのに、私を求めるはずがない、と」

女性の自己評価が下がるとき

 当時、彼女は42歳。ただでさえ40代になった女性たちは自己評価が下がりやすい。早い人は老眼にもなるし白髪も見つけやすくなる。「女としての外見」において「前の自分とは違う」と思いがちだ。一方で、他の同世代女性はみんなもっときれいなのに、もっと輝いているのにと比較してしまうこともある。 自信「彼の愛情を素直に受け入れられなかったんですよね。その後、彼は転勤で越していきました。今になると、彼を信じて新しい人生を始めてもよかったのにと後悔しています」  彼女は今も義父母と暮らし、パートを続けている。娘は中学生になった。先に希望がたくさんある娘を見ていると、自分だけが変わらない人生を送っているように思えて落ち込むことも多いという。 「この先、一歩踏み出せるチャンスがあるかどうか」  彼と別れて以来、彼女はまだ誰ともデートをしていない。 <文/亀山早苗> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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