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「子どもを作って一人前?」子どもがほしくない男女の複雑な胸中

 結婚をするのもしないのも、子どもを持つのも持たないのも、個人の自由――そんな考え方がだいぶ浸透したように見える現在ですが、それでもいまだに「結婚して子どもを作って一人前」「少子化の時代、2人は産まないと」といった考えの人が多数いるもの事実。  そんな人たちに苦言を呈され「生きづらい」と思っている人たちの胸中について、男女・夫婦の事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんが、レポートします。(以下、亀山さんの寄稿) ========================
子ども

写真はイメージです(以下同じ)

 あらゆる生物にとって「種の保存」は重要な生存理由なのだが、ヒトにはそれ以外にもいろいろな生存理由があるし、どう生きるかという選択肢もある。「子どもを産まない選択」「子どもはほしくないという思い」が否定されてしまう社会は生きづらい。今回、2人の男女に話を聞いた。 ※編集部注)この記事は5月14日に一部再編集しています。

「子どもがほしくない」と言えない世の中

「実は私、そもそも子どもを産むつもりはなかったんです」  そう言うのはフミコさん(37歳)だ。結婚して4年たつが、もともと子どもをもつつもりはなかった。結婚するとき、夫にもそう言った。すると夫は不思議そうに「自分の遺伝子を残したいと思わないの?」と言ったそう。 「私はその発言にびっくりしました。自分の遺伝子を残して何があるのと問い返してしまって。それは動物の本能だろうと彼は言うけど、私はそんなことを考えたこともなかった。むしろ、自分の遺伝子を残したいと思う人は、愛されて素直に育って、自己肯定感も強い人なんだなと羨ましくなりました」  一時期は結婚もやめたほうがいいのではないかと考えたが、彼は結局、「考えが変わることもあるよ」と言った。 母と子「私がひねくれているのかもしれませんが、自分の遺伝子を引き継いだ人間をこの世に送り出すということが、どうしてもできるとは思えない。そんな畏れ多いことを、どうして人は気軽にできるのか、したいと思うのかわからないんです」  ただ、もちろんそんなことは大声で世間には言えないと彼女は肩をすくめる。 「人が子どもを産むのはもちろんいいことだと思うし、私も友だちの子と遊んだりするとかわいいなとは思う。だけど、それと自分の遺伝子を残すということは別なんですよね」  そのあたりは夫にもわかってもらえないという。夫が本気で子どもをほしがったら、離婚することも視野に入れていると彼女は言った。
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子どもがほしくないことで「歪んでる」といわれて……
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