不倫男性が“保身”のために豹変「おまえの写真をばらまいてやる」
独身女性と既婚男性のドロドロ不倫…かつて不倫の典型だったこのパターンは、実はもう少数派だと、数多くの不倫を取材してきたライター・亀山早苗さんは言います。ですが、今も一定数はいるし、相変わらずのドロ沼劇も繰り広げられているようなのです(以下、亀山さんの寄稿)。
3年前の3月、演歌歌手・紫艶さんと関西落語界の重鎮・桂文枝さんとの不倫交際が話題となった。
不倫関係を否定した文枝に対し、彼女はキス写真やLINEのやりとりを公開。文枝は昨年春、上方落語協会会長を辞任、紫艶は芸能界を引退した。
この間、彼女を巡るバッシングはすさまじく、パニック障害にまでなっていたらしい。
そんな紫艶さんが、今年3月、自室で亡くなっていた。自殺も疑われたが急病だった。18歳から20年にわたる不倫関係を告白していた紫艶さんだが、結局は「人生で唯一、恋愛関係にあった人」から突然捨てられたのだ。
独身女性と既婚男性という不倫カップルの組み合わせは、関係としては対等ではない。
それでも以前に比べれば、独身女性が誰にも話せず、彼からの連絡をひたすら待つという陰鬱な感じではなくなっている。
その裏にはスマホの普及が大きいだろう。今は既婚男性が家庭でスマホをいじっていても、それがそのまま「不倫」に直結しているとは妻も感じないからだ。
独身女性側も、中にはつきあっている既婚の彼とは別なボーイフレンドを作り、「これで対等」としれっと言ったりもする。こういう感覚でいれば、関係がこじれかけたときお互いに引くことができるから結果として揉めない。
ところがどっぷり恋愛に浸っているさなか、突然、既婚男性の妻にバレかける、あるいはバレることがある。こういうとき、男性はとにかく妻の疑惑を払わなければいけないから、まず彼女に会うのは控えるようになるだろう。
「私の場合も、ある日突然、『しばらく会えない』と言われました。彼は一回り年上の職場の上司。4年近くつきあっていて、『妻には愛情はない。下の子が高校に入ったら別れる』と言っていたんですよ。それなのにしばらく会えない理由が、妻にバレかけているから。矛盾してますよね。私は彼と会いたいために実家を出てひとり暮らしをし、いつも彼を待っていたのに」
そう言うのはアキエさん(34歳)。あと2年で彼の下の子は高校に入るはずだった。30歳という「女にとって大きな壁」である年齢をまたいでつきあってきたのも、いつか彼と一緒になれるという希望があったから。
「それまで恋愛経験が少なくて長くつきあった人もいなかったんです。彼とつきあってからはセックスにも目覚めました。
彼も『妻とは長くしていない。アキエは女として最高だよ』といつも言ってくれていた。夜中にエッチなメッセージを交わしたり、あの最中に彼に写真を撮られたこともあります。『感じてる顔がかわいい』って」
彼とは身も心もぴったり合う。彼がいるから私は生きている。彼がいるから仕事もがんばれる。彼女は自分が世界一幸せだと思っていた。
理不尽だと思いながらも、彼女は彼に迷惑をかけたくない一心で、会社では彼との関係をおくびにも出さないまま待った。顔を合わせるとホッとするが、ふたりで会えないのはつらい。それでも彼女は耐え続けた。
「私からは連絡できない。ほとぼりが冷めればきっと彼は戻ってくる。『今日、行くよ』ってメッセージをくれる。そう信じていました」
数ヶ月たっても、彼は何も言わない。彼女は会社にいると、すがるような目で彼を追ってしまう自分に気づいていた。ある日、どうしても我慢できず、彼が外出先から戻ってくる時間を見計らってメッセージを送った。
「会いたい、とひと言。彼からは何も言ってきませんでした。しばらく会えないっていつまで待てばいいの、とも送った。だけどやはり無視。そこで彼が会社に帰ってきたんですが、私のことを見ようともしなかった」
そのとき、彼女の中で何かがキレた。彼の机のところへ行き、「話があるんですが」と言った。彼は少しあわてた様子で、「あとでちょっと会議室で」と囁く。そして15分後、彼女はようやくふたりきりになれた。だがそこは会社の会議室。
独身女性と既婚男性というカップルの危うさ
不倫がバレたとき、既婚男性が考えるのはまず“保身”
どっぷり恋愛に浸っていると…

写真はイメージです(以下同じ)
待ちくたびれた彼女に背を向けて

1
2