Love

不倫男性が“保身”のために豹変「おまえの写真をばらまいてやる」

「写真をネットで世界中にばらまいてやる」

「もう我慢できない。今日、うちに来て」  そう言いながら彼女は彼に抱きつこうとしたが、体を躱(かわ)された。 「そういう状態じゃないんだよ、うちは。わかってくれよ。毎日、妻がイライラしていて、それをなだめるのが大変なんだ。彼はそう言いました。  じゃあ、私の気持ちはどうなるのかと聞いたら、『オレに家庭があるのはわかっていただろう』と。  頭に来て、『会社にばらす、あなたの家庭にもばらす』と言ったら、『あのときのおまえの写真をネットで世界中にばらまいてやる』『親に見せてもいいんだよ。どっちが会社に残れるかな』と言われました。こんなことを言う人だったのか、とショックで」  彼はその直後、涙ぐみながら「オレのつらさをわかってくれるのはアキエだけだ」と抱きしめた。だが彼女の気持ちは冷めていく。

「信じていた私がバカだった」

男の体面、保身、メンツ 彼女は「彼に迷惑をかけたり不安にさせたりしたくなかった」から、たとえば彼の寝顔などを撮影したことはなかった。自分には脅す材料がないのだ。 「彼のことが好きだったから……。私の気持ちはそれだけなのに、それを彼は踏みにじったんですよね」  結局、彼女は彼の顔を毎日見るのがつらくなって会社を辞めた。別れてから2年、彼は出世し、いくつかの部署を束ねる局長となったそうだ。 「不倫とはいえ、本物の恋愛だと信じていた私がバカだった。いざとなると男は会社での立場、家庭の安定を取るんだとよくわかりました」  彼女は会社を辞めてから正規雇用されず、今は非正規で収入も激減した。あんなに好きだったのに裏切られた。いつか仕返ししてやりたいという気持ちと、それでもまだ彼を慕う気持ち。その狭間で彼女は今日も揺れている。 <文/亀山早苗> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ