恋愛に「正直さ」は必要?『ミストレス』みたいに秘密を彼に話した結果は…
運命の出会いだと思ったのに
何でも話せるし、何でも話したいと思ったから、彼の過去の恋愛も聞いた。彼は彼女の過去も聞きたがった。
「あなたは絶対に情熱的な恋をしたことのある人だと思う、と彼に言われて、私、それまで親友1人にしか話したことのなかったことを言ってしまったんです」
20代半ば、不倫の恋にはまって相手の妻と道ばたで取っ組み合いのケンカをしたこと。家を飛び出してきた彼としばらく自分の部屋で暮らしたこと、そして逆上した彼の妻がリサさんの部屋に突入、彼が刺されてしまったことなどなど。
「結局、ふたりは元の鞘(さや)に収まりました。表沙汰にしたくないということで、金銭のともなわない和解ですんだんですが。確かに情熱的な恋だった。彼には少しマイルドにして話しましたが、それを聞いた彼の顔色はよくなかったですね」
しまった、話さなければよかったと思ったときは遅かった。彼の想像以上の話だったのだろう、彼は黙って帰ってしまった。
「あの経験があったからこそ、私はその後、なかなか恋ができなかった。ユウタに出会ったのはそんな傷がやっと癒えたところだったんです。でもユウタには通じなかった。怖い女という印象だけが残ってしまったようです」
相手が受け止められないであろう話はしないほうがいい。いくら知ってほしくてもどう受け止められるかは、話すほうには予測がつかない。それは狡(ずる)さではなく、ひとつの処世術ではないだろうか。
<文/亀山早苗>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
1
2


