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春ドラマの男優ベスト3。ゲイ役の若手が輝いた中でも印象深いのは…

 毎週楽しみにしていた春ドラマもついに終了。今期はゲイがメインキャラクターとして登場する作品が多く、キャラによってはその特異で個性的な性質から俳優の腕の見せ所になった模様。若手からベテランまで見応えがありました。
 ゲイに限らず、その物語の世界に生きる人を気持ちよく演じてくれた俳優を、今期もドラマウォッチャー・林らいみが独断と偏見で選出。勝手に表彰してしまいます。

敢闘賞 磯村勇斗『きのう何食べた?』

『きのう何食べた?』(テレビ東京系列)でわがままなゲイ、ジルベールこと井上航を演じた磯村勇斗は達者なベテラン俳優に囲まれながら大健闘。  井上航はひと癖もふた癖もある役柄です。人の薬指の指輪に気付くなどフェミニンな感性を持ち合せる上に、恋人に漫画の登場人物のジルベールのような美少年と思わせる魅力があり、その毒舌ぶりは主人公いわく天然の小悪魔なのか底意地が悪いかわからない人物。  これだけ複雑な役を堂々と演じた姿が素晴らしかったです。ヒゲ面もだんだんかわいく見えてくるのは、彼の柔軟な演技力の賜物。  たった3話の登場でそのキャラがまだ手探りにも見えたので、ぜひ続編を期待。彼ならさらにハマりそうな予感。もう少し彼のジルベール航を見てみたいです。

名演賞 泉澤祐希『わたし、定時で帰ります。』

『わたし、定時で帰ります。』(TBS系列)でプライドが高くて生意気なイマドキの新入社員・来栖をしっかり体現したのは泉澤祐希。  ふざけた調子の「おつまるでぇす」に象徴されるように、会社をなめきった絶妙な小憎らしさ。先輩や上司に対して反抗的な姿勢を見せるものの、フッと表情が変えて気まずそうにしていたり、不安をちらつかせたり、プライドと自信のなさがないまぜになった心の機微をうまく表現していました。  褒められたり励まされたりすると素直に嬉しそうな表情を見せ、かわいい子だなと思わせる愛嬌も。すべてが良い塩梅で、心地よく感じる演技でした。
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一番印象に残ったのは…
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