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春ドラマの男優ベスト3。ゲイ役の若手が輝いた中でも印象深いのは…

最優秀名演賞 金子大地『腐女子、うっかりゲイに告る。』

 最優秀に選びたいのは、今期のドラマにおいてダークホースだった金子大地。『おっさんずラブ』(テレビ朝日系列/2018年)で演じた若者言葉を連発する新入社員と打って変わって、『腐女子、うっかりゲイに告る。』(NHK総合)ではゲイの主人公・純の繊細な心をみずみずしく表現しました。  ドラマ冒頭の男同士の大胆な濡れ場や、肉まん2つを女性の胸に見立てて興奮しようと息を荒げてもがく場面など、挑戦的なシーンを見事に演じきった彼。これらもさることながら、ゲイとして生きる人生を悲観したアンニュイな雰囲気が板につき、ときにザラつきのあるモノローグには不安定な心の様子を感じ取ることができました。
 そして、自殺をはかったときの苦しそうにポロリと涙を流す場面や、母に対して怒りをふつふつとさせて爆発させる場面など、怒りや悲しみを伴った感情表現が秀逸。言葉少ななキャラクターであるがために、その分、デリケートな心の動きが揺れ動く瞳で表現されていたことも見逃せません。今後の彼に注目したくなる熱演ぶりでした。  この春、あなたを魅了したベストアクターも選んでみては? <文/林らいみ> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
林らいみ
フリーライター。大学院で日本近世史を研究した硬派の歴女。舞台・映画・ドラマが好物。観たい舞台があれば万難を排して劇場に馳せ参じ、好き勝手言っている。たま~に歴史系記事を書く。
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