「痴漢にあった」と話したら…周りの男性の言葉に絶句した
痴漢はまぎれもなく犯罪。さらに、それにまつわる男性の言動も、女性の心を大きく傷つけていることがあるのです。
そんなT美さんを悩ませていたもの。それは痴漢でした。満員電車に乗れば、密着されてお尻を触られることはしばしば。
それどころか、ガラガラの電車で眠っている時に気が付いたらジーンズの上から股間を触られたり、ドアにもたれかかってぼんやりしていたら、トレーナーの下からずぼっと手を入れられたり。通りすがりの男からすれ違いざまに胸を揉まれたこともあるそうです。
「そういえば、電車の座席に座ってる時に、隣に来た男の人が局部を見せつけてきたこともありました。上手いこと手荷物で周囲からガードしてたんで、絶対常習犯だと思います。そういう感じで色んなパターンの痴漢にあってました。毎日というわけではないにしろ、けっこう頻繁(ひんぱん)で辛かったですね」
ですが、T美さんの心を傷つけたのは痴漢だけではありませんでした。T美さんは一切男性受けを意識しないファッションだったせいか、同じサークルの男性たちからも女性として扱われることが少なかったそう。
たまたま、別の女の子が飲み会で痴漢にあった話をした時、T美さんも自分の体験を話したところ、かなり冷ややかな言葉を浴びせられたそうです。
「『それは絶対に嘘』『お前みたいな女に痴漢の食指が動くはずないだろ』って言われたんですよ。まあ、確かに自分は可愛くもキレイでもなかったので、モテない自覚はありましたけど、それとこれとは話は別ですよね。
『ミエを張るなよ』なんて言ってくる人もいました。それ以降、なんだか男の人と話すのが怖くなってしまって男性不信気味になりました」
その男性たちの頭には「痴漢される=女として魅力がある」、なんて図式が存在しているのでしょうか。T美さんはそれ以降、痴漢の被害にあったことを誰にも打ち明けることが出来なくなりました。またあの時のように嘘つき呼ばわりされてしまうのではないかという恐怖心とともに、女性を見た目だけで判断するような言動への嫌悪感もあったと言います。
しかし、それから数年後。T美さんに転機が訪れました。
現在は結婚して一児の母となっているT美さん。笑顔の明るい穏やかな雰囲気の女性ですが、学生時代は意外にも非常にボーイッシュな服装を好んで着ているタイプだったとか。
「胸が大きいことがコンプレックスで、女性らしいファッションが苦手だったんです。服はダボダボのトレーナーにジーンズばかりでしたね。化粧もほとんどせずにすっぴんでしたし、髪もかなり短いショートカット。どこからどう見ても色気皆無な女子大生でした」
ガラガラの電車でも痴漢の被害に…
周囲の男性に浴びせられた「絶対に嘘」「ミエを張るなよ」
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