「浮気したら殺す」と言うくせに、誘ったら断る夫。これってDV?|性活相談
【AV男優・森林原人の性活相談 第151回】
経験人数9,000人、出演本数10,000本以上、下は18歳から上は69歳まで、性別の垣根を越えてさまざまなエッチを経験するAV男優・森林原人が、女性の性に関するお悩みに答えます。
相談者:匿名・既婚・年齢不明
3年以上セックスレスなのに、「浮気したら殺すから」と言われてしまいました。じゃあ抱いてよと誘うのですが、私ではそういう気になれないみたいです。これってDVなのでしょうか。束縛になるんでしょうか。夫の気持ちが分からなくて最近困っています。
相談に答えていく上で、まずはどのようなものがDVかを説明したいと思います。
DV(ドメスティックバイオレンス)は日本語に訳すと家庭内暴力となりますが、今は婚姻関係にあって家庭を築いている2人の間だけではなく、もっと広い範囲で捉えられるようになっています。遠恋中の恋人間から中学生のカップルにおける暴力もデートDVという言い方でDVと考えるようになっています。
DVを個別に考えていくときの難しさは、被害に遭っている本人が、自分がされていることがDVだと自覚しにくいところにあります。と言うのも、ものすごく多様なかたちのDVがあるので、殴ったり蹴ったりするわかりやすいものでないと、当事者からすると愛情表現や甘えとの区別がつかないのです。
なので、DVの様々なかたちを、知識として持っておくことが重要です。代表的なものを紹介します。
(1) 肉体的暴力
殴ったり蹴ったり首を絞めたりといった暴力を身体に直接ふるい、痛みや恐怖を与える。
(2) 精神的暴力
自分がどれほどつらく苦しい思いをしているのかを泣きわめいたり、物に当たったり、自傷行為をしアピールをして精神的に追い詰める。
(3) 経済的(金銭的)暴力
関係性を利用し物を買わせたり、高価な物を勝手にプレゼントしておきながら別れるなら賠償しろと請求したり、仕事やバイトを辞めさせ経済的基盤を無くさせ自分に依存せざるを得ないようにする。
(4) 行動制限
自分から離れていかないように通信手段を監視したり、行動の逐一報告を義務づけたり、家族や友人から切り離して人間関係をも支配する。
(5) 性的暴力
嫌がるのに人前でキスしたり、無理矢理性的な動画を見せたり、2人のセックスの話を許可なく他人に暴露したり、セックスを強要したりし、性的な部分の決定権、所有権を独占的に持つ。
(6) 社会的暴力
一方的な要求なのに、それは社会的に当然なことだと言いくるめ、自由意志、個人の意見を全く認めない。
このどれもが、加害者自身の不安を解消したり、相手を自分の思い通りにコントロールしようとする自分勝手なものです。でもそれは加害者からすると、「好きだから仕方ない」と筋が通ったものなのです。人を好きになる気持ちが持つ正しさや、付き合ったり結婚している間柄には相手を独占し拘束する権利があるという勘違いが根拠です。
また、DVもセクハラやパワハラと同じで、加害者の意図に関係なく、被害者がどのように感じたかがDVなのかそうでないのかの区別の基準の1つになります。(法的な問題ではなく言葉の本質的な捉え方の話です)
以上の理由から、被害者は、自分が間違っているんだとか、自分がいけないからDVされるんだと罪悪感を持ったり、愛とは我慢することなんだというスローガンに洗脳され不必要な自己犠牲心を発揮してしまうのです。
「浮気したら殺す」はDVに当てはまりますか?
森林の回答

DV被害者と加害者の心理

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