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職場内で“3股不倫”していた女性の言い分「既婚者3人で1人分」

ゆっくり甘えたような口調で話すユカコさん

「その時点ではKさんとつきあうことになるとは思ってもいませんでした。だけど興味をもたれたのはうれしかったし、Kさんから来たメッセージの返事をしないのもおかしい。だけど、本音を言えば、私もKさんのことがイヤではなかったんです。というかむしろ興味があったかもしれない」  ゆっくりした、少し甘えたような口調で話すのがユカコさんの特徴だ。こうやって話されたら、男性としては気を引かれるだろう。  その後、ユカコさんはKさんとふたりきりで会った。 「確かに彼の奥さんの実家はとても裕福らしくて。だけど彼は決して家庭で満たされてはいない。そのときKさんがなにげなく、『オレと同期の、そうだきみのところの部長、ああいうふうに家庭がうまくいっているのが理想だなあ』と言ったんです。  その言葉で私の心になんとなく火がついてしまった。Kさんの食事後の誘いを断りませんでした」  大好きな部長だが、結局、あちらは家庭がうまくいっているのだ。自分などどうせ刺身のつまみたいなもの、彼の人生の彩りに過ぎない。そう思うと、目の前の孤独なKさんと自分が重なってしまったのだという。

「既婚者3人でちょうど1人分」

不倫 その結果、3人とつきあうことになってしまったのだ。1年後、直属上司は家庭の事情で退職、Kさんは単身赴任で地方にいる。彼女は部長と関係を続けながら、ときおりKさんに旅行がてら会いに行くのだそう。 「今思えば、3人それぞれいいところがありました。だけど3人とつきあっている実感はあまりなかった。既婚者とつきあうのって寂しいんですよね。ひとりでいるのがイヤというとき、3人いれば誰かが助けてくれる。既婚者3人でちょうど1人分、というか……」  それにしても、部長と直属上司、部長と同期という関係の3人。最初はいろいろあったが、結局、それぞれに「あなただけ」と思わせることができたのは同性としてすごいと思う。 「目の前の人しか見ていないから、疑惑をもたれなかったのかもしれません」  女性は、未婚既婚問わず“女優”なのかもしれない。息をするように演技ができるのだ。男性はウソをつかれているとは思っていない。ユカコさんに悪意はない。無邪気に自然に演じ分けているのだろう。 <文/亀山早苗> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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