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特売肉が超ジューシーになる「漬け込みタレ」の黄金比

 特売肉、おいしくなります。 豚小間切れ 特売肉 スーパーで手軽に買える肉と言えば、「豚肉の小間切れ(もしくは切り落とし)」。これって、どちらかというと、おいしさよりも値段を優先させて選んでいますよね。でも、このリーズナブルなお肉が、焼肉屋で食べるような「本格味」に仕上がったら・・・、夢のようですよね!  そこで今回は、手頃な豚小間を使うのに、コク旨&ふっくらジューシーに仕上がる、“超美味・漬け込みダレ”の簡単コツをご紹介したいと思います。

ポイントは、市販の焼肉タレを「ひと工夫」するだけ

 肉をむやみに焼いて、“硬くなった”、“パサついた”経験をしたことがある方は少なくないでしょう。そもそも肉が硬くなる原因は、肉を構成する「たんぱく質」が、加熱によって凝固・収縮しすることによるもの。そしてたんぱく質に保持されていた水分が分離してしまって、肉汁として流出してしまうことで、パサパサ感が出てしまいます。  つまり、これらを逆手に取れば、なるべく肉を硬くしないような工夫ができるはず。その手法は大きく分けて3つに分類されます。 たんぱく質の「保水性」を向上させる ⇒「塩分」を加える、「pH」を調整する ※pHとは、水溶液(物質を水に溶かした液)の酸性・アルカリ性の程度をあらわす単位 たんぱく質の変性を遅らせる ⇒「砂糖」を加える たんぱく質を分解して、凝固・収縮を抑える ⇒野菜などに含まれる「たんぱく質分解酵素」を加える 焼肉のたれ 今回は①と②を重視することに。そして、この環境をなるべく簡単に作り出すために、市販の「焼肉のタレ」を使うことにしましょう。  そうです、タレには砂糖や塩分がすでに入っていますから、これをベースにして、足りない要素を加えていけばOK。pHを酸性に傾けるために「マリネ」という手法を使うことにします。

肉を「マリネ液」で漬けて焼くだけで、仕上がりが激変

「マリネ」とは、酢やワインを加えて味付けをすることで、肉のpHを酸性側に変化させて、たんぱく質の保水性を向上させる料理法。そもそも焼き肉のタレは、焼いた肉の“つけダレ”として調合されているものが多く、“漬け込む”ことや“加熱調理”を重視・想定したものではありません。そこで、タレに「酢」を加えることに。また、加熱中の水分流出を防ぎながら、風味やコクを与えてくれる「ゴマ油」を追加すること(タレにはすでに入っているものも多いが、もう少し加える)も、今回のポイントになります。 【結論】市販の焼肉タレに、酢とゴマ油を加える! 酢とゴマ油 分量としては、焼肉のタレ:ゴマ油:酢=3:1:1の割合。例えば、肉量が300~500gくらいの場合は、焼き肉のタレ:ゴマ油:酢=大さじ6:大さじ2:大さじ2が適量です。 酢とゴマ油 ゴマ油は、焙煎されたゴマから絞られた「茶色いタイプ」のものを。酢は、米酢の他、リンゴ酢などのフルーティーなものも良く合います。そして、実際に漬け込むのは、とってもカンタン。ビニール袋に肉と調味料をすべて加えて、よくもみ込むだけ。手も汚れません。 豚小間切れ 焼肉のたれ 酢とごま油 漬け込み 急ぎの場合は、30分~1時間常温に置くだけでも、それなりの効果がありますが、最もオススメなのは、前夜に作って冷蔵庫保存する方法です。ちなみに、先述の③を実践したい場合は、生生姜のすりおろし(スパイシーに)や、リンゴのすりおろし(フルーティーに)を加えると良いでしょう。 豚小間切れ 焼肉のたれ 酢とごま油 漬け込み 焼くときの火加減は、少々強めの中火くらい。弱火過ぎると、焼くまでに時間がかかってしまい、肉汁の大量流出につながります。 豚小間切れ 焼肉のたれ 酢とごま油 漬け込み はい、焼き上がりました。食べてみると、食感の違いは明らかで、やわらかくてジューシーさを堪能できることでしょう。気になる方は、是非一度お試しください!  ちなみに、お肉は豚小間切れでなくとも、牛でも鶏でもOKですよ。 <文、写真/スギアカツキ> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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