脳科学者「男性をスペックで選ぶと最終的に損をする」
『脳はなんで気持ちいいことをやめられないの?』の著者で、脳科学者の中野信子先生に聞いてみました。
「すごく素敵な人なんだけど、その人のことが好きになれない原因の一つとして、自分と“近いニオイ”だというのがありますね。とある研究で、複数人の男性大学生の汗のニオイを集めて、女子大生に好みのニオイを嗅いでもらうという実験を行いました。すると、女子は自分とは全く違うニオイを選ぶ傾向にあったそうです。つまり遺伝子が似ている人は、直感的に選ばないようになっているんですね。遺伝子が似ていると、流産しやすかったりするので、この臭いというのはわりと重要なポイントになってきます。また、実は女性は男性を顔ではなく、清潔感とか体臭で生理的に判断するので、“何か生理的に合わないなぁ”と思ったら、それは無理に付き合うことはないのです」
なるほど。いくらやさしかったり顔がよかったりしても付き合う気になれないのはそういうことだったのですね。一方では、我々も選ばれる身。男性側はどう思っているのでしょうか?
「男性は、逆に“視覚”の生き物です。わかりやすく言えば、目、くびれ、胸、お尻ですね。女性と会ったとき、まずは“脱がせたらどうかなぁ”と考えてしまうものなんです。男性と女性の脳はそういうところが違いますね。そこを理解したうえで、男性を意識してはどうでしょう? たとえば、目はアイメイクをウルウルさせるように決めてみるとか。けっしてバッチリメイクではなく自然な感じです。また、男性は髪の毛など揺れるものに反応しやすいのでその辺も頑張ってキレイな女性を目指したいものですね」
もちろん内面を見てくれる男性もいます。いずれにしても、出会った瞬間が肝心ということですね。
では、この年まで独り身の私たちはどんな男性を選んだらよいのでしょうか? はっきりいっていい人は必ずといっていいほど売却済み。やっぱりまだ理想が高く、何かを妥協すればいいのでしょうか?
「そうですね。アラサー女性はどこかを妥協をすれば、“男性は必ず落ちる”と思います。多くの女性が妥協できないのは、年収と見た目でしょうね。特に見た目は、イケメンにこだわるわけでなくても譲れない人は結構いるでしょう。それでは何がポイントか。結婚したいのであれば、男性をスペックで見るのをやめたほうがいいですね。結婚は、取引という側面もありますから、こちらも条件を出す代わりに、相手の条件も飲まなければいけません。ですから、結婚後を想像して“こういう人だった育児に協力してくれそう”“自分のお母さんに優しそう”など、目先のことではなく将来を見て、あなたが一緒にやっていけそうか見るべきなのです。つまり顔がちょっとイケてなかったとしても、長期的に得できるかを見るということです」
たしかにイケメンも年を取るし、収入もこのご時勢確実ではありません。前述の生理的なものをクリアさえすれば、あとはあなたの男性を選ぶ幅が広がるはず。
「たとえ今の収入が低かったとしても、男性は女性に立てられたら頑張る生き物。あなたの応援で稼ぎがよくなるかもしれませんし、お互いの共感能力が上がれば、離婚はしにくくなります。こちらもとある研究の結果ですが、男性が妻の不満を15~18%解消するだけで、年収120万円分の価値があると言われています。これは男性が食後の後片付けを日に1~2回に増やすのに相当します。男性の優しさは収入と違って一生モノですよ」
身につまされた思いです。もうこの年になって顔だ年収だという前に、もう少し先のことを考えて男性を見ていくべきなのですね。
<TEXT/女子SPA!編集部>
【中野信子氏】
医学博士、脳科学者、認知科学者。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行なっている。『ホンマでっか!?TV』『有吉ゼミ』『Qさま!!』などに出演。近著は『脳はなんで気持ちいいことをやめられないの?』(アスコム)がある
アラサーで独身にもなると、結婚を意識して男性を見てしまうもの。結婚となると収入、顔、性格……などなど、さまざまなスペックがありますが、必ずしもスペックが高いポイントだからと言って、その人を好きになるかどうかは別。
そこには、脳にカラクリがあるんだそうです。男性もあなたの条件を見ていることをお忘れなく
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