西島秀俊が再びヤクザ役「全く仕事のない時期に映画に救われました」
今野敏さんの小説「任侠シリーズ」の一作を『TRICKシリーズ』、『民王』などの木村ひさし監督が映画化した『任侠学園』が公開中です。社会貢献がモットーの弱小ヤクザ・阿岐本組が、経営難の高校の新理事に就任!? 義理人情を重んじながら再建を目指す彼らの言動に、周囲も感化され始め……。
阿岐本組ナンバー2の日村を演じて、組長役の西田敏行さんとともにW主演を務める西島秀俊さんにインタビュー。本作についてはもとより、西島さんへ映画の原体験についてお伺いした昨年のインタビューに続き、今回は映画、映画館への愛を語っていただきました。
――西島さんのカッコイイ部分も可愛らしい部分も楽しめる作品でした。
西島秀俊さん(以下、西島)「作品名を出すのもおこがましいですが、僕は『任侠学園』は“アウトレイジmeets寅さん”だと思っています。寅さんのような部分もあればハードな部分もある。両方を全力でやる作品なんだろうと、最初から思っていました。キャストではまず西田さんが筆頭ですね。『釣りバカ日誌』をやられていて、『アウトレイジ』にも出ている。まさに両面を持っていらっしゃる。
演じる側として、バランスはもちろん難しいものでしたが、西田さんや生瀬(勝久)さんに常に引っ張っていただきました。それから、キャストが本当に真面目に全力を出すチームで、撮影が終わってからも、連日“反省会”と称してみんなで飲みながら、いろんな話をして結束を深めていました。もしもこの作品に“空気”というものがあるのだとしたら、そうした部分が出ているんじゃないかと思います」
――そうした空気というのは、映画館でより体感できるものかと思います。いま映画の形は多様化していて、配信サービスなども人気がありますし、だんだんと映画館はなくなっていくのではと口にする人もいます。そうした意見をどう思いますか?
西島「どうなっていくかは、本当に分からないですよね。ただ僕は、どこかに住むとなったとき、おいしい定食屋さんと、映画館と、本屋さんがあるところを、無意識のうちに選んでいる気がします。
映画館にふらっと行けるというのは、自分のなかで結構大きいんですよね。神保町あたりなんて住んだら最高だろうなと、この間もふと思いました。自分が暮らす場所として、名画座があって、古本屋がある。そんな町がいい。そういう人って、意外と多くいるんじゃないかと思っています。
これから先、映画館はもっとアミューズメントのようなイベント的なスペースになっていくだろうとは思います。でもそれとは別に、昔から続く、ちょっと安心できる場所としての映画館のファンも変わらずいると思います」
『任侠学園』は“アウトレイジmeets寅さん”
おいしい定食屋さんと、映画館と、本屋さんがある町に住みたい
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『任侠学園』は9月27日(金)より全国公開中 オフィシャルサイト




