さて、ここまでで、なんとなく見えてきたことがあります。それは、
進次郎氏は“いい人”なのではないか、ということ。スウェーデンの高校生で環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(16)の鬼気迫るスピーチに感銘を受けると、自身も新作ポエムを発表してしまったのです。
●進次郎「今のままではいけないと思います。だからこそ、日本は今のままではいけないと思っている」
(2019年9月23日 ニューヨーク)
“いい人”なので、大事なことは2度言ってしまう。そのホスピタリティこそ、ポエマーたるゆえんなのかもしれません。
一方の純一郎氏。発言を読み返すと、ここぞの場面では、“思う”だとか“感じる”というあいまいな表現を避けてきました。
●純一郎「内閣の方針に反対する勢力、これはすべて抵抗勢力であります」
(2001年5月9日 衆議院本会議)
●純一郎「郵政民営化に賛成する候補者しか公認しない」
(2005年8月8日 衆議院解散後の会見)
普段はのらりくらり、煙に巻いてばかりなのに、
いざ攻撃に転じると、相手の退路を断って詰め寄った純一郎氏。情緒的な進次郎氏とは対極の、ギラついた言葉づかいです。
というわけで、色々と考えてきましたが、進次郎氏はまだ大臣1年生。これからどんな変身を見せてくれるか、楽しみにしたいものです。
<文/石黒隆之>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter:
@TakayukiIshigu4