――本作には松本利夫さん、若旦那さん、AK-69さんと、ミュージシャン、アーティストの方が参加されています。お芝居をするうえで、何か違いはありましたか?
加藤「僕が気づいたところでいうと、
ミュージシャンの人は、役者にはないリズムでお芝居されますね。面白いですよ。たとえば僕にも自分の中にリズムがあるけれど、それで芝居したら毎回同じなんですよ。実は。だけど違う人と合わせたら、違うリズムになる。
セッションですね。外国の演劇学校で、もっと掛け合って何かを生み出せと音楽や踊りの勉強をさせますが、その理由がやっとここ1年くらいで分かってきた感じです」
――ここ1年くらいでですか。
加藤「そうですね。だから、このところは自分も予想をしていなかった芝居をしていることが多々あります。相手のリズムと掛け合って行こうと意識できるようになってから。それまでは自分の持っているリズムだけで芝居しようとしていたんでしょうね。だから今、面白いし、もっと試していきたいです」
――そうなんですね。観客としても楽しみです。最後に、読者に向けてひと言お願いします。
加藤「ここに出てくるのは昭和な男です。その男の生きざまを観ていただいて、こういう男もいるよと思ってもらえれば。それにこの作品の根っこはラブストーリーです。実は同世代の男性よりは、女性の方が成熟度が高いと思うので、観れば分かるという人が多いんじゃないかと思います」
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<文・写真/望月ふみ>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。
@mochi_fumi