
写真はイメージです(以下同じ)
その写真を撮った女性は、「その瞬間はノリみたいなものだった」と言う。立派な写真館の前を通ったとき、彼と結婚写真を撮りたくなった。潜在意識として、結婚したい、ずっと一緒にいたいという気持ちがあるからだろう。
「写真館に入ったら、衣装もありますよと言われて。見ているうちに、式も届も出せないのだから写真だけでも……とふたりとも気持ちが盛り上がっちゃって」
かくして神妙な重婚写真ができあがったのだという。ふたりだけの秘密にしておけばバレることはない。
ふたりは今もつきあっている。2年たつが、今もお互いを心から必要としているという。写真はふたりのスマホの中と、彼女のドレッサーの奥深くにしまわれた鍵付き日記に紙焼きにして挟んである。
周りから見たら、「いい年してバカなことをして」と思われるだろう。だが、「いい年だからこそ分別をなくすこともある。そうでもしないとせつなくてたまらない」ということも世の中にはある。ダブル不倫を擁護するつもりはないが、恋する男女は、往々にして「バカなこと」をしてしまうものなのではないだろうか。
<文/亀山早苗>
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