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不調を感じても病院に行くのが面倒…という女性が抱えるリスク

おおしまりえの幸せな人生の迷い方】  恋愛ジャーナリストのおおしまりえです。  カラダのことは知っておいた方がいい。男性目線の妊活映画『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』を鑑賞し、男性からの感想を聞いた結果、そんな気持ちを強めました。 おおしまさん とはいえ周りの女性たちはアレが心配、コレがおかしいと不安の声だけは口にするけれど、クリニックに通ったり、生活環境を見直す人はあまり見かけません。  自分のカラダのことなのに……心配してもついつい放置してしまう。心とカラダの矛盾はどこにあるのか。  病気まではいかないけれど健康ともいえない。そんな女性の健康状態とどう付き合っていったらよいのか。今回「ポートサイド女性総合クリニック ビバリータ」院長、清水なほみ先生に話を聞きました。

「健康」の本当の意味を説明できますか?

 本題に入る前に、みなさん「健康」という言葉をどう捉えているでしょうか。 ・毎日元気に日常生活がおくれること ・心身の病気などがない状態のこと ・いつも笑顔でいられること  などなど。解釈は色々あるでしょう。日本WHO協会いわく、健康とは「病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます」と解説しています(HP参照)。  つまり健康とは、心身の状態は当然として、そこに付随する社会的な健康状態が満たされている必要があるということ。改めて考えると、健康ってかなりハードルが高い。あわせて清水先生にも健康の定義を聞きました。 「健康とは、自分の生きる目的に対して価値を十分見出し、自分で人生を選択し、自分の意志で何のために何をしたいかを決めて行動し、そのための十分な肉体、精神、お金があること。つまりトータルウェルビーイングが叶っている状態」(清水先生、以下同)
健康

※写真はイメージです(以下、同)

 興味深いのは、あくまでも“健康の核”となるのは、生きる目的であったり、人生選択であったりということ。シンプルにカラダの健康ばかりを捉えがちですが、それはあくまでも目的を達成するための前提であるといえます。  みなさんは今生で何をしたいか、どう生きたいか、深く考えたことがあるでしょうか。

「女性にとっての健康」を考えてみよう

 ただカラダが病気をせず、元気に動いたりするだけが健康ではない。では「女性の健康」は、どんな意味を持つのでしょう。 「女性に特化して言えば、年齢相応のホルモンバランスを維持し、適切なリプロダクティブ・ヘルス&ライツ(性と生殖に関する健康と権利)が保証されていること。簡単にいえば『産むのかどうか、何才までに何人産みたいか』を自分で決めてそれを実現できることが女性の健康といえます」  つまり、自分の妊娠に関する人生計画を立て、それをいつでも可能な限り行動に起こせるような状態を保つことが、女性の健康を保てているといえるわけです。 妊娠「妊娠したいのであれば、婦人科系の病気や不調は、適切な対処をしておくこと。逆に妊娠を希望しないのであれば、自分の手で確実な避妊をする必要があります。  妊娠の希望の有無にかかわらず、乳がん検診や子宮がん検診をなどの事前検診を定期的に受けることも欠かせません」  心から希望する計画を考え、正しい知識を持って選択し、正しい行動を取る。それがなにより大事なわけですが、その一例として、子宮頸がんワクチンについて先生は教えてくれました。 「以前、子宮頸がんワクチンを接種した後に、体の痛みなどを訴える人が相次ぎ、副作用が疑われました。それに伴い、現在は接種する人が激減したり、存在そのものを知らない人が出てきています。  その後、実はWHOよりワクチンと副作用は関連性がないと発表されており(※)、日本産科婦人科学会も同様の見解です。 (※ WHO ワクチン安全性諮問委員会(GACVS)における安全性の再評価)  ただ、一部に、因果関係を否定しきれないという意見もあります。副作用について不安な気持ちもあるでしょうし、まずはワクチンについての正しい知識を得て、その上で接種する・しないの選択ができるとよいですね。」  こういった情報を知っているだけで対応策を冷静に考えられるもの。正しく知って考えるというのは、健康への第一歩として大切なのです。
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不安に思っても病院に行かない…改善策は?
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