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航空業界の女性スタッフ、安月給で入れ替わりが激しいワケ

 こんにちは。ライターの高木沙織です。  かつてグラホ(グランドホステスの略、現在のグランドスタッフ)として6年間勤務してきた私。みなさんも空港で接する、航空会社の地上職員です。
グラホ裏話16話

写真はイメージです(以下同)

 前回は、大荷物を持って空港カウンターに現れたイケメン男性が、超過料金の支払いを逃れるために、空港にいた見ず知らずの女性を巻き込み嘘の演技でグラホを騙そうとした話でした。 【第15話】⇒空港で超過料金をしぶる男性客、見ず知らずの女性を巻き込み言い逃れ  さて、今回の16話でお話するのは……  就職するまでは、「何が何でも!」という強い気持ちで臨んでくる人が多い職業でありながら、結構な短期間で離職をしていく人も多いグラホの世界。私が働いていた当時は、「3年働いたら長いほう」と言われていたくらいです。

入社式が盛り上がりのピーク

 念願かなってグラホの採用をつかみ取った日。そして、入社式。忘れもしない初めて制服に腕を通したその日は私にとって、「グラホだ! やった!」と気持ちの盛り上がりのピークでした。同期にとってもそう。あんなに晴れやかで嬉しそうな顔は最初で最後、勤務中に見ることはありませんでした。いや、まだ何もしていないし、ただ入社しただけじゃん……、との声が聞こえてきそうですがおっしゃるとおり。 入社式が盛り上がりのピーク ここにピークを持ってきてしまうと、後々モチベーションを保つのが大変になりますよね。でもそのあたりは意外とうまく適応していくもので、仕事には責任もやりがいもあったし、幼いころから好きだった独特の空間・空港という場所で飛行機に関わることができるのには特別な感情を抱いていました。  空港の空気というのでしょうか。旅立ちの前のせわしない、海外の風が混じったようなあのニオイは今でも鼻腔に染みついてふと思い出します。そんな感じで、空港に思い入れもあったし、すぐに辞めるなんて考えは記憶をたどってみたけれど多分なかった……、はず。みんなも同じような思い入れがあったんじゃないかな。

離職率が高いのは給料が低いから?

 では、どうして離職率が高いのか。  私の退職の理由は人間関係でした。それについてはまた別の機会にじっっっくりとお話ししますが、先輩や同期、後輩が去っていく理由のひとつには給料の安さがあったもよう。  当時の外資系航空会社のグラホは契約社員がほとんどで、アルバイトという雇用形態も珍しくなく、給料日前は食べるものにも困りインスタントラーメンや、コンビニの5~6個入りの唐揚げを時間をかけて味わうように食べるスタッフだって少なくなかったんです。「自炊をしたほうが高くつくんですよ……」と口にしながら。給料日までカウントダウンをしている人も多かったな。 とにかく給料が低い&給料日前はカツカツ 懸命に働いているのに切ないですよね。みんな金遣いが荒い? とんでもない。私のように成田空港の近くに実家があり、そこから通勤しているスタッフはごくわずかで、ほとんどみんな地方や都内から一人暮らしの部屋を借りて生活をしていましたから。それも、早番・遅番の不規則な勤務に支障をきたさない空港の近くで。そこに追い打ちをかけるかのように…成田空港近くのエリアね、家賃が安くないんですよ。生活費を除くと手元に残るのは微々たる金額という人は多かったです。  しかも、年頃の女子ですから、洋服やコスメだって欲しいでしょう。貯金だって簡単ではありません。「好きな仕事・憧れの仕事だけど、生活を考えたら続けられない」という、悲しい話を何度も耳にしました。 (編集部注:現在のグランドスタッフの求人情報を調べたところ、外資系やLCCは契約社員・アルバイトが多く、月給制で17万〜20万円弱、時給制で1000円〜1500円ぐらいが相場のようでした)
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空への憧れを捨てきれず転職する人も
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