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大物俳優が大火災に関与?証拠もなく批判されて反論

 今年夏に多発したブラジル・アマゾン地帯の火災。多種多様な動植物が生息し、地球上の酸素を生み出す「肺」ともされるアマゾンの熱帯雨林が、これまでにない規模で失われたといわれている。  この未曽有の火災について、ブラジルのボルソナロ大統領が11月29日、驚きの発言をした。環境保護に熱心なハリウッド俳優レオナルド・ディカプリオが「アマゾン放火のために寄付した」というのだ。
レオナルド・ディカプリオ

レオナルド・ディカプリオ

 アマゾン火災に関し、森林に放火したとして、NGO団体を非難しているボルソナロ大統領。発言を裏付ける証拠などには言及していないものの、レオナルドがそのNGOに寄付したと批判している。 「レオナルド・ディカプリオはクールな男だろ? アマゾンに火をつけるため寄付している」 「レオナルド・ディカプリオ、君はアマゾン火災に貢献しているんだ。良くないね」  ブラジルの捜査当局は11月下旬、寄付金を目的に森林に放火したとして、NGO団体の消防団員を逮捕。この団体に寄付していたとして、ボルソナロ氏はレオナルドをやり玉にあげているのだ。  これについてレオナルドは声明を発表し、次のように反論した。 「支援するに値する活動だが、現在(政府の)非難にあっている団体に寄付したことはない」 「取り戻すことができない生態系の未来がかかっている。それを守る団体の一端を担っていることを誇りに思う」  環境問題に対する意識を高めようとレオナルド・ディカプリオ基金を設立し、今では最もよく知られる環境保護活動家の一人となっているレオナルド。2016年のアカデミー賞で最優秀主演男優賞を受賞した際には、「気候変動は真実で、今現在起こっていることだ。私達が面している最大の危機であり、先送りせず、今協力して立ち向かう必要がある」とスピーチしていた。  インスタグラムでアマゾンの森林火災の被害を訴えてきたレオナルドは、救援金として約5億円以上を寄付することも発表している。
 ちなみに、今回問題とされた団体に寄付したことはないと語ったレオナルドだが、実際には過去にその団体と活動したこともあったという。だとしても、レオナルドがアマゾンの森林火災に加担していたという告発は、あまりにも突飛な気がするが……。

「日本人は全部ちっこい」。過激発言が多い“ブラジルのトランプ”

 これまで差別発言や過激発言を繰り返し「ブラジルのトランプ」と呼ばれているボルソナロ氏。実は、このアマゾン火災をめぐっては、フランスのマクロン大統領とも衝突している。  事の発端は、今年8月に行われた先進7か国首脳会議(G7サミット)で、マクロン氏がアマゾンの森林火災を「国際的な危機」だとして、世界各国に対策を呼びかけたことだった。この結果、G7は消火活動への緊急支援金を拠出することなどで合意した。  しかし、アマゾンの森林火災を「国内問題」と主張するボルソナロ氏はこれに強く反発。ツイッターに「(G7が)まるで我々を植民地のように扱おうとしている」と投稿し、受け取りを拒否する方針を明らかにした。  さらに、アマゾン火災をめぐり対立していた両氏の間で場外バトルも勃発。きっかけは、ボルソナロ氏の支持者がフェイスブックに投稿したコメントだった。その支持者は、マクロン氏の年上妻ブリジット夫人とボルソナロ氏の年下妻ミシェリ夫人の写真を並べ、「マクロンがなぜボルソナロを非難しているか分かるだろ?」と書き込んだ。
ボルソナロ大統領

ブラジルのボルソナロ大統領(C)Celso Pupo Rodrigues

 この投稿に対しまさかの行動に出たボルソナロ氏。「おいおい、ヤツ(マクロン氏)に恥をかかせるなよ。ハハハ」と返信したのだ。  当然のことながら、マクロン氏はこの発言に激怒。「私の妻について極めて無礼な言動をした」としてボルソナロ氏を公然と批判した。  これまでにも、女性やマイノリティーに対する問題発言が多いとされてきたボルソナロ氏。自分の息子がもし同性愛者だったら「愛することはできない。事故で死んだ方がまし」と語ったこともあった。  また、そうした過激な発言が、日本人に対して向けられたことも。ある会見で年金改革について言及していた際、「もし『日本人の改革』になるなら……」となぜか日本人の話を持ち出した。その真意は、日本人の改革=ぺキニーニョ(ちっこい)改革という意味で、ボルソナロ氏は「日本はすべてがミニチュアだ」と語ったという。さらに、ブラジルの空港で日本人男性と記念撮影をした際には、「日本人は全部ペキニーニョなんだろう?」と発言。人差し指と親指を狭めるジェスチャーをしながらの発言だったことから、下半身についての卑わいなジョークとも受け取られ、メディアから「人種差別的」と批判を受けた。  一国のリーダーらしからぬ発言で世界を騒がせてきたボルソナロ氏。アマゾンの森林火災をめぐる攻防は、今後どういう展開をみせるのだろうか。 <文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>
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