もう一つは、中古、もしくはヴィンテージの着物を選ぶ方法です。 　世代にもよると思いますけれども、多くの人の家のタンスには、まさにタンスのこやしとして丁寧に仕立てられた着物、そして帯が眠っているのではないでしょうか。 　今それを手放す人がとてもふえています。洋服の古着屋ほどは多くはありませんが、街にはいくつか中古や古着の、かつて誰かが着たであろう着物を扱っているショップがありますので、そこで自分の予算に合った着物一式をそろえてみるのもいいでしょう。 　いずれにしても注意してほしいことがあります。洋服には洋服のルールがあるように、着物には着物のルールがあります。そのルールはかなり厳密で、季節によっては着てはいけない柄や素材などがはっきり決まっています。 　また、着物と洋服では着たときの身のこなし方がかなり違います。着物を着て、下駄をはいた状態で、洋服を着たときのように大股で歩いたり、無造作に腕を上げ下げすることはできません。 　もちろん色合わせなど、洋服と着物で共通するポイントも少しはありますが、洋服と着物は別物と考えて、その道の専門の方からしっかり教えてもらってから実践に移してください。 　そうしないと、着物を着て出かけたはいいけれども、出先で帯がほどけてしまったり、着崩れてしまい、自分でリカバリーできなくなったりと、いろいろと面倒なことが起こるでしょう。 　着物を着るときは日本の着物文化に敬意を表して、失礼のないように注意して。と同時に、自分のできる範囲で楽しんで、新しい世界に挑戦してみてくださいね。 【小林直子さんの過去記事】⇒欧米人が憧れる「和風」を、私たちのファッションに取り入れる方法 ＜文／小林直子＞ ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】